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ファーストリテイリング/9~5月、海外ユニクロ事業がけん引し増収増益

2022年07月14日 16:00 / 決算

ファーストリテイリングが7月14日に発表した2022年8月期第3四半期決算によると、売上収益1兆7651億600万円(前年同期比3.9%増)、営業利益2710億8400万円(19.0%増)、税引前利益3492億5500万円(42.2%増)、親会社に帰属する当期利益2378億3600万円(57.1%増)となった。

国内ユニクロ事業の売上収益は6409億円(5.1%減)、営業利益は1190億円(0.4%減)と、減収減益となった。上期は、前年同期の業績のハードルが高かったことに加え、売れ筋商品に欠品が発生し機会ロスが生じたことから、大幅な減収減益となったが、第3四半期連結会計期間3カ月間は、売上収益は8.7%増、営業利益は76.2%増と、好調な業績となった。

新型コロナウイルス感染症の拡大が収束し、外出ニーズが高まったことで、感動ジャケット・感動パンツやブラウスの販売が好調だったことに加え、ゴールデンウィーク商戦、ユニクロ感謝祭での販売が好調で、3カ月間の既存店売上高は7.8%の増収となった。売上総利益率は、値引き販売を抑制し値引率が改善したことなどにより、3.9ポイント改善した。また、売上高販管費率は、人件費や物流費を中心にオペレーションの効率化を進めたことで、1.4ポイント改善した。

海外ユニクロ事業の売上収益は8412億円(13.7%増)、営業利益は1327億円(35.8%増)と、大幅な増収増益となった。円安が進んだことで、売上、営業利益とも押し上げられているが、現地通貨ベースでも過去最高の業績と好調だった。これは主に、その他アジア・オセアニア地区、北米、欧州(ロシアを除く)が大幅な増収増益となったことによる。グレーターチャイナは、新型コロナウイルス感染症に伴う行動規制による影響を受け、大幅な減収減益となった。

第3四半期連結会計期間3カ月間も引き続き、その他アジア・オセアニア地区、北米、欧州(ロシアを除く)の業績が好調だった。地域別の業績(現地通貨ベース)については、グレーターチャイナは大幅な減収減益となった。3月から5月にかけて、上海を中心に最大で169店舗が臨時休業するなど、新型コロナウイルス感染症に伴う行動規制により、売上が落ち込んだ。ただし、6月は規制が緩和されたことで売上は増収と、業績は回復傾向にある。

その他アジア・オセアニア地区は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動規制の緩和により、外出ニーズが回復したことで、大幅な増収増益となった。特に、マレーシア、フィリピン、インドネシア、シンガポールが好調だった。北米は、大幅な増収、黒字へ転換した。Tシャツやタンクトップ、ショートパンツなどのコア商品が北米のお客に高く支持されていることで、好調な業績が継続した。欧州(ロシアを除く)は、LifeWearのコンセプトが浸透し、顧客層が広がったことに加え、観光客需要が盛り上がったことも追い風となり、大幅な増収、黒字へ転換した。

ジーユー事業の売上収益は1905億円(5.1%減)、営業利益は178億円(26.7%減)と、減収、大幅な減益となった。減収となった要因は、生産や物流の遅延の影響を受け、キャンペーン商品をタイムリーに投入することができず、販売機会ロスが生じたことによる。第3四半期連結会計期間3カ月間も若干の減収、前年並みの営業利益となった。トレンド商品として人気が高いカラースラックスやスウェットTシャツなどの販売が好調だったが、商品の遅延の影響を受け、売上を十分に拡大できなかった。

一方で、売上総利益率は、1.5ポイント改善した。これは、値引き販売を抑制したことに加え、生産や物流の遅延により、キャンペーン商品がタイムリーに投入できず、計画通りに販促できなかった影響による。また、売上高販管費率は、店舗スタッフを戦略的に増やしサービスの向上を図っているため、0.8ポイント上昇した。

通期は、売上収益2兆2500億円(5.5%増)、営業利益2900億円(16.5%増)、税引前利益3681億円(38.4%増)、親会社に帰属する当期利益2500億円(47.2%増)を見込んでいる。

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