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セブンイレブン/1月31日千葉県内全店「AI発注」実験導入

2020年01月29日 16:10 / IT・システム

セブン-イレブン・ジャパンは1月31日、千葉県内の直営店とフランチャイズ加盟店の合計約1100店にAI発注を実験導入する。

<セブン&アイ本社>
セブン&アイ本社

AI発注は、販売実績、共通催事、共通キャンペーン、天気予報、実際の天候など、合計13の内部与件と外部与件の要素から最適な発注数を提案する仕組み。AIは発注数を提案するのみで、最終的な発注数の確定は店舗の発注担当者がする。

全店が直営店であるスーパーマーケットとは異なり、FC加盟店が大半を占めるコンビニでは、発注権限はあくまで、加盟店オーナーにあるため、自動発注ではなく、発注数の提案にとどめた。

従来は、商品ごとに設定した一定数の基準在庫に基づき、店頭商品が基準在庫を下回ると、該当商品の発注を促す設定発注という仕組みで、発注業務を支援していた。AI発注を導入することで、基準在庫を店舗で設定する手間がなくなるため、発注業務を省力化することができる。

対象商品は、デイリー商品を除く、加工食品、菓子、飲料、酒、雑貨などゴンドラ什器で展開する約2500アイテム。全体の品ぞろえの約80%をカバーする。

同社は、2019年11月15日に経済産業省で開催されたコンビニ本部ヒアリングで、店舗の経費削減策の一環として、AI発注を導入することを表明していた。

AI発注は2018年4月に直営店数店で実験を開始、2019年4月には直営店約150店に実験対象店舗を拡大していた。

これまでの直営店の先行テストでは、1日あたり約80分かかっていた発注時間を約35分削減し、発注時間を約45分に短縮できた。また、AI発注対象商品の売上は平均で前年比2.5%増となった。

これまでは、発注担当者ごとの癖や思い込みといった要素が発注に反映されていたが、AI発注を導入することで、欠品がおこりずらいより適正な在庫が確保でき、売上増加につながったと分析している。

デイリー商品についてのAI発注についても直営店数店で実験しているが、今後のデイリー商品のAI発注の展開は未定となっている。

今回の千葉県内での実験を踏まえ、2020年度中には、AI発注システムを全店に導入する予定だ。これまでは、全国2万1000店の人間が行った発注データに基づき、AI発注を行っていたが、今後は、AIによって導かれた発注数量自体が適切かを検証することができ、より精度が高いAI発注システムを構築できるという。

なお、AI発注システムは、店舗で利用するかしないかを決定できるため、実際にAI発注を利用するかの判断は、オーナーがする。

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