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すかいらーく/1~3月営業損失12億円、コロナ禍長期化で通期売上下方修正

2021年05月14日 11:50 / 決算

すかいらーくホールディングスが5月14日発表した2021年12月期第一四半期の連結業績は、売上収益648億3200万円(前年同期比25.3%減)、営業損失12億6400万円(前年同期は4000万円の営業利益)、親会社の所有者に帰属する四半期損失は18億8800万円(前年同期は2億4800万円の当期利益)だった。

新型コロナウイルス感染症拡大に伴う、緊急事態宣言発令などの影響で、売上面では苦戦を強いられている。減収による利益面での減少をコスト削減、時短協力金などでカバーしている。

同日行われたオンライン決算説明会で谷真会長兼社長は、「最近の緊急事態宣言発令の前から、売上面では厳しい状況が続いている。2019年比では70%程度だ。アメリカでは、ワクチン接種率が20%近辺になると外食産業が回復傾向になっている。こういった数値を指標にしながら、2021年下期以降の戦略を考えたい。また、コロナ禍の影響が長期化することを見据え、通期売上は250億円下方修正した。営業利益は、コスト削減と時短協力金でカバーできると考え、50億円のまま据え置いている」と説明した。

コスト削減は、具体的には、深夜営業廃止による固定人件費・水道光熱費の低減、従業員賞与・役員報酬の減額、プロモーション費用の低減、デジタルメニューブックの導入などによる店舗生産性の向上を推進した。株主優待コストの低減、オーナーの協力による店舗賃料の減額・売上歩率への契約変更、本部経費の削減、その他不要不急のコストの執行停止といった販売費及び一般管理費の低減も行った。

原価低減の打ち手として、食材・商品のモジュール化で1品当たりのボリュームを出すことによる仕入単価の引き下げ、自社工場の製造ライン生産性の向上、配送ルート、頻度の変更などを実施。2020年対比で約39億円のコスト削減を実施している。

店内飲食の減少を宅配・テイクアウトでカバー。3月末現在約2000店でデリバリーサービスを実施しており、一都三県のエリア世帯カバー率は94%に達し、約3000店でテイクアウトサービスを導入している。

また、2021年2月にデリバリー・テイクアウト専門店を新中野にオープン。ガスト、バーミヤン、から好しの3ブランドのメニューを取り扱っており、ガストのチーズINハンバーグとバーミヤンの焼餃子をセットにした弁当など、複数ブランドのメニューをミックスした商品も取り扱っている。業績は順調で、同タイプの店舗を2021年度に7店程度出店する予定だ。

さらに、コロナ禍で好調なテイクアウトに強いから揚げ専門店「から好し」の商品を全国のガスト約1300店で取り扱うことにより、最小限の設備投資でから好しを一気に約1400店(ガスト内から好し取扱店舗1334店、単独から好し店舗90店、2021年4月末現在)に拡大した。

これによりガスト店舗のテイクアウト売上が約32%、デリバリー売上が約6%向上している。

店舗については、「しゃぶ葉」「ガスト」を中心に21店舗出店、「ガスト」「むさしの森珈琲」「La Ohana」を中心に40店舗転換、31店舗実施(2020年に公表した200店舗閉店の概ね内数)閉店し、3月末の店舗数はグループ計3115店舗。

2021年12月通期は、売上収益2850億円(前期比1.2%減)、営業利益50億円、親会社に帰属する当期利益40億円を見込んでいる。年間の既存店売上想定を16%減から23%に変更し、下方修正した。

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