イオングループでフランス発のオーガニックスーパーマーケット「ビオセボン」を展開するビオセボン・ジャポンは3月1日付で、社長交代を行った。
神奈川県藤沢市の駅ビル「ODAKYU湘南GATE」に3月22日、日本国内で10号店という節目の店舗を出店することを受け、新たに、ビオセボン・ジャポン社長に就任したイオン創業家出身の岡田尚也氏に、就任の抱負と今後の展開について聞いた。
※インタビューは3月20日、「ODAKYU湘南GATE」の関係者向け内覧会で実施した。
――就任の抱負を教えてください。
岡田 ビオセボンの日本1号店立ち上げからこの事業に参画していますが、当時、日本に本格的なオーガニック専門スーパーはなく、簡単な事業ではないことは、立ち上げメンバーもフランスのビオセボン本社でも想定していました。
1号店の出店から、さまざまな改善を行い、色々な課題をクリアし、3月22日「ODAKYU湘南GATE」への進出で、10号店まで出店できました。
これからも、珍しいからたまに購入する店ではなく、デイリーユーズで、お客様の購入頻度の高い店になるよう、質にも価格にもこだわった商品開発をしていきます。
生産者との関係も重要で、取引先ではなく、ともに商品を開発する「取り組み先」と呼ばせていただいています。
――日本におけるオーガニックスーパーのパイオニアとして、買いやすさに工夫をしていますね。
岡田 1号店を出したばかりの時は、珍しい商品がたくさんあり、お客様が何を買うか迷われることもありました。私たちは商品の特性が伝わるようポップに工夫をこらしたり、有機JASの説明をポップにしたりしました。
今では人気コーナーのドライフルーツの計り売りコーナーも、最初は買い方がわかりにくいという声がありましたので、買い方をわかりやすく説明したプレートを置いています。
量り売りは20gから買えますが、20gとはどれくらいなのかわかりにくいので、そのサンプルも設置しています。
フランスでの人気商品やランキングを紹介することもしています。
――1号店「麻布十番店」の現状はどうでしょうか。
岡田 業績は順調に推移しています。国産品や、当社が「ウエルネス」商品と呼んでいるベビー・子供向け商品、非食品などが特に伸びていますので、日常使いしていただいている証拠だと思っています。
――オーガニックのデリも人気ですね。
岡田 現在では中食も注目されているフランスですが、2016年当時はあまり中食需要がなく、フランス本国にはなかったのですが、日本では1号店からオーガニック素材を使った惣菜を提供しています。
日本のお客様がスーパーに求められるものをそろえるため、デリを展開しています。現在、売上構成比では20%程度で、多い店では25%になります。
――お客とのコミュニケーションを重視した店舗運営をしていますね。
岡田 麻布十番店や横浜元町店では、ワインなどのワークショップを開催し、好評を得ています。
麻布十番店では、地域の祭りに参加したり、お花見の人気スポットに近い中目黒店では店頭で商品販売を行うなど、地域特性に合わせた売り方も工夫しています。店舗の地域特性に合わせ、各店で柔軟に実施していきます。
――スタッフ教育ではどんな点を重要視していますか。
岡田 楽しく働ける職場づくりを意識しています。スタッフの前向きさを引き出せるよう、マニュアルなどより得意な分野、好きな分野を伸ばすことを重視しています。
幸い、ビオセボンで働いてみたいという方が多く、若いスタッフを中心に多様性のある人員構成になっています。
――今後の出店計画について教えてください。
岡田 東京・神奈川エリア中心に出店する予定です。また、これからも、日本のお客様が日常使いできるオーガニックスーパーを目指し、生産者の方々とよりよい商品開発に取り組み続けます。
■岡田尚也(おかだなおや)氏の略歴
1983年8月18日生まれ
2015年1月:イオンリテール入社
2015年3月:まいばすけっと出向
2015年11月:イオン オーガニック事業プロジェクトチーム
2016年11月:ビオセボン・ジャポン営業部長
2019年3月1日:ビオセボン・ジャポン社長就任
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