セブンイレブン/アパレル売上高2倍へ、アンドエスティと共同開発で若年女性層を開拓

2026年09月08日 15:16 / 商品

セブン-イレブン・ジャパン(SEJ)はアパレル分野を強化する。アパレル大手のアンドエスティと組み、共同開発した商品を9月25日から全国のセブン-イレブン店頭で販売していく。アパレル売上高は現状の2倍への拡大を目指す。

発表会の集合写真

セブン-イレブンはアンドエスティと組んでアパレルを強化する(左端がSEJの渡辺氏、右端がアンドエスティの小林氏)

「食」の領域以外で新しい顧客接点を作る

9月8日に都内で開かれた発表会で、SEJ商品本部の渡辺純子氏(「辺」は正しくは旧字体)は、アパレル強化の背景として売場の価値向上を挙げ、次のように説明する。

「お客様のニーズや店舗の使われ方が多様化していることを踏まえ、来店価値を広げる取り組みを進めている。日常のライフスタイルに接点を持てる商品・サービスの拡充が重要で、『食』の領域以外でも新しい顧客接点を作り、来店価値を高めていく。そうした売場全体の価値向上を目指す取り組みの1つが衣料品」

戦略について語るSEJの渡辺純子氏の写真

戦略について語るSEJの渡辺純子氏

セブン-イレブンではこれまで、アパレル商品は「急に必要になったから買う」といったケースが多かったという。今後は、「このデザインやブランドがあるからセブンに買いに行く」「たまたま見かけたが、なんとなく楽しい」といったように、選ぶ楽しさのある買い方を提案し、店舗への来店価値を広げる役割を担っていく考え。

そうした方針のもと、アンドエスティと組んだアパレルでは若年女性層をメインターゲットに据える。セブン-イレブンの2025年度の年齢別客層構成比では、50歳以上が4割を占めている一方で、30歳未満は17%程度にとどまっている。今後長期的な成長を目指す上で、若年層の獲得は必要不可欠となる。

「衣料品はお客様のライフスタイルに接点を持つことができる商材。未来のメインユーザー獲得に向けて、来店動機となりうるファッション雑貨の取り組みをアンドエスティと進めることにした」(渡辺氏)

定番品や季節品のほかコラボ商品を投入

9月25日に投入する商品は、全17アイテム・計28種となる。

アンドエスティの「niko and…(ニコアンド)」と「LOWRYS FARM(ローリーズファーム)」の2ブランドから、通年販売のレギュラーアイテムを展開する。ソックス(税込715〜880円)、Tシャツ(1989円)、タオルハンカチ(660円)、ヘアゴム(3個セット・5個セット各660円)、ミニシュシュ(3個セット660円)などをそろえる。

共同開発商品の一覧画像

通年販売商品と季節商品を全17アイテム、コラボ商品を全6アイテム販売

このほかに、春夏と秋冬の年2回のペースで季節やトレンドに合わせて商品を差し替えるシーズンアイテムも販売。スウェット(3278円)、ストラップ付ミトン(2970円)、ミニマフラー(1650円)をラインアップする。

さらに10月23日からは、コラボアイテム第1弾として、サンリオの「ハローキティ」とのコラボレーションアイテムを展開。「ハローキティ プリントクルーネックスウェット」(4378円)や「ハローキティ バックプリントパーカー」(5390円)のほか、ソックス(990円~1100円)など全6アイテム・計10種を取り扱う。コラボアイテムは年に3、4回のペースで仕掛けていく。

アンドエスティの小林千晃氏の写真

アンドエスティの小林千晃氏

商品は基本的にアンドエスティから仕入れて販売する。専用ブランドの新設は想定しておらず、アンドエスティが持つ55ブランドの中から適したものを選び、セブン-イレブン向けに商品を開発・投入していく計画だ。

ブランド選定について、アンドエスティ取締役の小林千晃CBOは「ブランドにも旬やトレンドの方向性がある。コラボアイテムをエディット(編集)していくのがポイントになるため、アイテムによってブランドを変えていくこともある」と述べた。

事前のテスト販売ではアパレル売上2.15倍に

SEJでは、アンドエスティとの共同開発商品を投入するにあたり、事前にテスト販売を実施。昨年7~12月の半年間、埼玉県内の88店で販売したところ、アパレル売上は前年比115.7%増と2.15倍伸びた。客層では女性が73.2%と7割を超え、若年女性の誘引にもつながったという。

こうした結果を踏まえ、9月25日の発売によりアパレル商品の売上高はこれまでの2倍を目標に掲げる。

店頭の商品構成では現時点ではアパレルが70アイテムだが、そこに今回の共同開発商品が加わるほか、セブン-イレブンのオリジナルグッズも現状の10アイテムからさらに拡充していく。これにより店頭でのアパレル商品の構成比は増える。

共同開発商品のパッケージ

パッケージデザインにもこだわったという

商品のプロモーション面では店舗でのフライヤーの配布などは実施しない。渡辺氏は「商品パッケージを見るだけでその商品の価値が伝わるように、デザインにもこだわった」と述べる。さらに競合との差別化という面では、アパレルだけでなく店舗全体での価値向上を強調する。

「ただ服だけを売りたいということではなく、お客様のライフスタイルに寄り添う接点の1つとして、ファッション分野の取り組みを始めた。化粧品や玩具などともに、お客様に『何があるかな』といったワクワク感を売場で感じていただきたい。それを通じて課題である客数の改善にもつながればいい」

コンビニのアパレル商品では、ファミリーマートが独自のアパレルブランド「コンビニエンスウェア」を展開しているほか、ローソンは「無印良品」の商品を導入する。セブン-イレブンはアンドエスティとの共同開発によって生活者のニーズを掘り起こし、アパレル商品の販売を拡大していく狙いだ。

取材・執筆 比木暁

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