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トライアル、フクシマガリレイなど6社/リテールAIプロジェクト発足

2019年11月22日 17:00 / IT・システム

サントリー酒類、トライアルカンパニー、日本アクセス、日本ハム、フクシマガリレイ、ムロオは11月22日、「リテールAIプラットフォームプロジェクト」を発足したと発表した。

<リテールAIショーケースで情報を収集>
リテールAIショーケース

近年、日本国内では、少子高齢化による労働人口減少により、人手不足、採用難といった社会的課題が生まれている。その中で、小売業の現場では、世界的に最先端のIT・AI技術を導入した「リテールテック」が注目されている。

プロジェクトでは、既存の小売から脱却し、リテールAI技術を推進することで、世界的に通用するスマートストアを開発することを目的としている。今後、参加企業を増やす予定だ。

同日行われた、フクシマガリレイ「リテールAIショーケース」完成披露会で、トライアルHDグループのRetail AIの永田洋幸社長は、「当社で開発したAIカメラ、フクシマガリレイのショーケースといったハード面での設置、保守に加え、実際に店舗で商品がどのように売れたか、欠品したか、販促の効果があがっているかなど、AIカメラの活用で蓄積したデータをプロジェクトで共有。参加企業間で、どのようなデータを収集したらよいか、いかに現場改善を図るかも、実験を繰り返したい。SCMの最適化、よりよいエコシステム構築を目指す」と説明した。

トライアルは、自社で推進している実店舗とリテールAIカメラ、スマートレジカート、デジタルサイネージのようなIoTデバイスや独自のAIテクノロジーを活用して新しい買い物体験を追求し、スマートストアを進化させ続ける。

<フクシマガリレイ福島専務、Retail AI永田社長>
福島専務、Retail AIの永田社長

フクシマガリレイ(12月3日に福島工業から社名変更)は、Retail AIのAIカメラを装着した「リテールAIショーケース」を開発。AIカメラは、ショーケースの欠品率、顧客の導線、位置情報を把握できる。

ショーケースの欠品状況をカメラで把握する仕組みでは、欠品率が高くなれば、バックヤードにアラートが届き、適切に棚に商品を補充できるようになる。現在、店舗での実運用を目指し、大阪本社に置いたオープンイノベーション空間「MILAB(ミラボ)」で実験を進めている。

福島豪専務は、「福島工業はフクシマガリレイに社名変更し、冷凍冷蔵機器メーカーからAIファシリティ企業への成長を図る。小売業の無理、無駄、ムラをAI活用でなくしたい。AIショーケースの製造、設置、保守、データ活用まで一括して提供。異業種と積極的に協業し、流通分野のスマートストア化に貢献していく」としている。

今後、冷蔵ショーケースが店舗のプラットフォームとなり、売上・ロス・発注・買物客へのリコメンドなどの機能を持ち、生活者がワクワクしながら安心して食材と出会える場になるよう役割を進化させる。

サントリーは、プロジェクトに参画することにより、小売流通におけるAIテクノロジーの活用に挑戦。消費者の購買行動や小売りの売場等をAIで分析し、お客の嗜好の多様化に迅速に対応できるよう、最適な売り場提案や販促プロモーション施策につなげ、新たな価値創造やイノベーションを起こすことを目指す。

日本アクセスは、プロジェクトのデイリー部門に、「卸」として参画。2018年に「リテールAI低温プラットフォームプロジェクト」を社内に発足した。トライアル アイランドシティ店のデイリー売場にて廃棄ロスを分析、牛乳売場にてAIカメラの欠品自動検知機能によりチャンスロスを分析。食品流通にリテールAIを取り入れることで、新たな価値をもたらす活動を展開していく。

日本ハムには、変化する消費者の探求をキーワードに、プロジェクトを通じた新技術を活用し消費行動の解析や新カテゴリーの創造に着手。先進的且つ革新的な商品開発、店頭の構築、販売促進・広告活動、物流改革に取り組む。

ムロオは全国にネットワークを持つ物流カンパニー。プロジェクトを通じて、AIデータを使い既存の受発注から、より3M(ムリ・ムダ・ムラ)を取り除く仕組みを構築することで、店舗への物流強化、地域の物流改革を目指す。

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