三陽商会/「主戦場」の百貨店に今期9売場を新期出店、直営店は5売場を計画

2026年04月16日 11:59 / 経営

三陽商会の業績が苦戦している。直近の2026年2月期決算では、2期連続の減収減益となった。3カ年の中期経営計画(26年2月期~28年2月期)の初年度でつまずき、計画数値も見直すことになった。今期(27年2月期)は出店攻勢により増収増益を狙う。

<大江伸治社長>
大江伸治社長

26年2月期は売上高584億4800万円(前年同期比3.4%減)、営業利益12億9800万円(52.2%減)と減収減益。中計の目標では売上高625億円、営業利益33億円だったため、「大幅な未達に終わってしまった」(大江伸治社長)。

これを受けて中計2年目・3年目の計画を下方修正。27年2月期の売上高を660億円から600億円に、営業利益を39億円から21億円(本社ビル立替の影響などを除いた営業利益は23億円)に変更。最終年度の28年2月期は売上高を700億円から620億円に、営業利益を50億円から13億円(同25億円)に修正した。

中計2年目となる今期は、電鉄系百貨店の閉店や売場縮小がほぼ一段落したことを受け、出店攻勢を仕掛ける。

前期の売上構成比で61.8%を占めた主力販路の百貨店は、上半期6売場・下半期3売場の計9売場に新期出店を計画。前期は百貨店不振の影響を直接受けたが、今期も百貨店は重要な販路として強化していく。

「百貨店市場についての位置付けや評価は一切変えていない。百貨店が我々にとって主戦場であるという構図も当面変わらない。問題は、百貨店がラグジュアリー志向で時計や宝飾品などを優先しており、売場確保のハードルが以前よりも高くなっていること」(大江社長)

そこで、既存ブランドに加えて「SANYO Style STORE(サンヨー・スタイルストア)」や「EPOCA THE SHOP(エポカ ザ ショップ)」といった編集型複合ショップのインショップ展開を強化する。これにより既存の売場を維持しつつ、新しい売場の確保を進める。

一方で、百貨店以外の販路開拓も強化する。直営店は上半期1売場・下半期4売場の計5売場を新規オープンする計画。アウトレットは前下半期に5売場新設し、今期は上半期に1売場を新規出店する予定だ。

ブランドでは「SANYO Style STORE」の新バージョン「SANYO Style STORE+」という新しい店舗モデルを商業施設に展開するほか、26年秋冬からはファッションビル向けブランドとして「AUREME(オーレム)」もスタートする。

利益面では、粗利率を前期から1.1ポイント改善して62.0%を計画。そのために在庫管理を強化することで、プロパー販売比率を前期から4.7ポイント向上させ、64.2%を目指す。

「64.2%という数値は前々期の水準にあたる。前期に低下したプロパー販売比率を前々期の水準に戻す」(大江社長)

こうした目標に対して足元の不安材料は、中東情勢を巡る地政学リスクだ。合成繊維のほとんどが石油由来の商品であるため、原料価格の上昇がそのまま調達コストの引き上げにつながる。実際、三陽商会でも一部の原料メーカーから、表地や裏地、付属品に関する値上げの要請があるという。

また、住宅メーカーが一部資材の受注停止を発表しており、出店計画に影響を及ぼす可能性があるほか「店舗設営費などにも影響が出てくることが考えられる」(同)としている。

取材・執筆 比木暁

三陽商会 決算/2月期減収減益、大江伸治社長「百貨店不振の影響受けた」

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