イオンフードスタイル/平田炎社長「フードスタイルへの改装で売上1.3~1.7倍、水産好調」
2026年07月07日 11:42 / 経営
イオングループにおいて、首都圏のスーパーマーケット運営会社マックスバリュ関東、ダイエー関東事業、イオンマーケットが3月に経営統合し、新会社「イオンフードスタイル」が誕生した。設立から約4カ月、統合の効果はどのように現れているのか。「フードスタイル船堀店」(東京都江戸川区)の開店に際し、平田炎社長が報道陣の質問に答えた。
――統合後、改装した店舗の状況は
「フードスタイル」は、「鮮度・活気・楽しさ・安さ」をコンセプトとする価値提案型のスーパーマーケットを目指しています。3月7日「フードスタイル三田店」をオープンし、「フードスタイル船堀店」で6店舗目となりました。月に2~3店舗のペースで改装。2026年度は12~18店舗を一新し、2030年までに全店を「フードスタイル」に改装する予定です。
――「フードスタイル」へのリニューアルで売上高・客数は伸びていますか
刷新した5店舗を見ると、売り上げの伸びは約1.3~1.7倍と好調に推移。客数は平均約1.3~1.4倍増加しています。フードスタイルは生鮮・デリカを強化した業態ですが、生鮮の伸び率が高い。
農産は平均約1.5倍、畜産とデリカが約1.6~1.7倍に売り上げが伸びています。水産が一番好調で、全店舗平均で約2.2倍、一番好調な店舗は大体2.6~2.7倍に成長しています。
――水産が伸びているのはなぜでしょうか
今までの店舗は都心の小型店舗が多く、アウトパック中心の効率を重視した水産売り場が多かった。今回の生鮮強化策で、水産の品ぞろえから加工に至るまで、インストアの部分を強化したことによって、大きな伸びが実現できたと考えています。
――安さは「パワープライス」コーナーで打ち出していますね
パワープライスを入れたことによって、パワープライスだけが売れてしまう時期がありました。そのため粗利が落ちたこともあり、競合店の状況も確認しながら、やりすぎた部分は修正をかけています。
当初われわれが計画していたパワープライスの構成比を調整しているのが現状です。パワープライスによって買い上げ点数が活性化した店舗は、かなり変化が出ていますので、それをいかに既存店に広げていくかが今後の課題です。
――品ぞろえで重視していることを教えてください
ピーコックストアを「フードスタイル」にリニューアルし、三田にしても代官山にしても石川台にしても、(購買力のある顧客が多い)良い立地です。「もっとこんな商品も置いたらいいのではないか」、「こういう商品も売ってほしい」という声がありますが、私が抑えています。
駐車場に行くと高級車がたくさん停車している環境ですが、富裕層に3000円とか4000円の商品を買ってもらうのではなくて、500円のピザをいかに買ってもらうか、398円の弁当をいかに買ってもらうかということが、今は大切だと考えています。
基本的にはわれわれが目指すべきというのは、ハイスペックな商品をそろえた高級なスーパーではなく、上質なスーパーでもない。私が目指したいのは「良質なスーパー」です。
(価格が)高い・低い、上とか下ではなくて、良いか悪いか、この良質なスーパーマーケットをいかに作り上げるかということが私の根底にあります。そのベースをしっかりと作るまでは、品ぞろえの幅を広げないでおきます。足元の商圏のシェア率をいかに高めるかということが、今の重要なポイントだと思っています。
――良質なスーパーとは
「良質」とは、「それってお客さまにとっていいことですか、悪いことですか」と考えてほしいと従業員に伝えています。商品、陳列のやり方、クリンネス、接客などさまざまな点でお客さまにとってそれがいいのか悪いのか。良いか悪いかというのは○か×であって、△はないと。×だと言うのであれば、○にするためにはどうすればいいかを考えようと話しています。
――若年層を意識した商品を強化していますね
スイーツとベーカリーを拡充しています。スイーツは、青果売り場では店内で手作りした「生フルーツ杏仁」、「気まぐれ生フルーツタルト」などを提案しています。既存店のチルドデザートは、「ドバイチョコ」が人気ですね。
自社だけの発想では限界があると考え、今回USEN&U-NEXT GROUPのWannaEatとの協業で、和スイーツ「CRAFT DANGO」を開発しました。
ほかにも、他社とのコラボレーションによる商品開発を進めています。スーパーマーケットの人間が考える商品や売り場作りではなく、異業種から見たときのスーパーマーケットの新しい売り場も実現できればと思っています。
――今後の課題は
競争店といかに戦うかとは、まだ考えていないです。われわれは挑戦者です。「フードスタイル船堀店」で、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(U.S.M.H)グループ各社の監修商品を取り入れていますが、グループとしての商品開発も今後進めたいですね。また、旧ダイエーの「一の市」のような名物企画は確立できていないので、プロモーションも今後の課題です。
取材・執筆 鹿野島智子
イオンフードスタイル/「フードスタイル船堀店」オープン、年商目標44億円
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