生団連調査/消費減税で流通企業の対応コスト増、2度のシステム改修に懸念

2026年09月14日 16:20 / 経営

国民生活産業・消費者団体連合会(生団連)は9月14日、卸・小売・飲食料品メーカー・外食の会員企業100社を対象に実施した、飲食料品の消費税減税関連のアンケート結果を公表した。

調査はオンラインで、会員企業100社に対し8月21日~9月2日行った。

減税施行時に売上高が「上がる・増える」と回答した企業は49%だったのに対し、営業利益が「上がる・増える」と回答した企業は22%にとどまった。

外食企業は業績が下がることを懸念

外食企業は業績が下がることを懸念

営業利益は53%が「変わらない」、16%が「下がる・減る」と回答している。

売上高が増加すると予想する企業でも、営業利益が増えるとは限らない。システム改修や事務作業などのコストが発生すれば、減税分をそのまま販売価格に反映できない可能性があるためだ。

実際、システム改修コストは39%、事務作業コストは41%の企業が「上がる・増える」と回答した。

また、減税時に加え、2年後の税率復元時にもシステム改修コストが見込まれる。卸・小売の大企業24社は、減税施行時に79%が、税率復元時にも62%がコスト増を見込んでおり、事業者の二重のコスト負担が不安視されている。

さらに、減税により「個人消費が増加する」と全体では65%が回答しているが、業種別にみると外食は43.5%にとどまっている。

個人消費増が期待されているが外食は不安視

個人消費増が期待されているが外食は不安視

2年後の税率復元に強い懸念

減税が2年間の措置となり、その後に税率を戻す場合、企業はより大きな需要減少を懸念している。

税率復元時の影響について、「個人消費が減少する」と回答した企業は83%、「景気が悪化する」は62%に達した。

自社の経営見通しでも、税率復元時に売上高が「下がる・減る」と回答した企業は61%、営業利益は45%となった。

さらに、減税に備え、具体的な準備・検討事項を挙げた企業は59社だった。業種別にみると、卸・小売が25社、飲食料品メーカーは27社、外食・その他は7社%。

主な準備内容は、POS、会計、受発注、請求処理などのシステム改修。加えて、価格戦略や利益管理、在庫調整、取引先との単価交渉なども挙がった。

政府は税率引き下げ分「価格に反映される」と回答

生団連は8月27日、高市早苗総理あてに飲食料品の消費税率引き下げに関する公開質問状を提出。9月4日、政府から、飲食料品の税率引き下げ分について「基本的には価格に反映される」との回答を得た。

消費税減税は需要喚起策として期待される一方、流通の現場では、価格転嫁と利益確保、2度のシステム対応、税率復元後の需要反動と複数の課題を抱える。制度の詳細が固まるまで、企業には影響試算と業務対応の早期準備が求められそうだ。

生団連は、生団連は、生産・製造、流通、サービス関連事業を行う企業および業界団体と、 国民生活の代表である消費者団体、NPO法人などが、平時より国民的課題について活発な議論を行い、 政府、行政への提言や国民への情報発信活動を実行。「国民の生活・生命を守る」ことを目的としている。アサヒビール、Umios、セブン&アイホールディングス、ゼンショーHD、高島屋、日本スーパーマーケット協会などが711企業・団体(2025年12月5日現在)が参画している。

UAゼンセン/永島会長「来春の消費減税、賃上げに影響させるべきでない」

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