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エドウイン/事業再生ADR申請

2013年11月27日 / 経営

東京商工リサーチによると、国内ジーンズ最大手で「EDWIN」ブランドを有するエドウインと、グループ会社28社のうち金融債務のある16社の計17社は11月26日、事業再生実務者協会に対し事業再生ADR手続きの利用を申請した。

グループ会社のフィオルッチは外部株主が存在することから、12月初旬に追加する形で同手続きを申請する予定。今後、同協会の審査を経て正式手続きが進められる見込みとなった。

エドウインは、国内ジーンズメーカー最大手、エドウィングループの中核企業。1947年、繊維製品を販売する「常見米八商店」として創業し、1969年9月にエドウインを設立した。

いわゆる「アメカジブーム」を追い風としてジーンズメーカーとして業容を拡大し、1988年5月には製造部門をエドウィン商事として分離。国内グループ企業28社を擁し、生産拠点は東北を中心に12か所にのぼる。

グループで「EDWIN」ブランドを中心とするジーンズを製造、販売し、取り扱いブランドは「EDWIN」のほか「SOMETHING」、「C-SEVENTEEN」、「Gold Rush」など。「EDWIN」の「503」拡販に際してはハリウッドの人気俳優のブラッド・ピットを起用したことで話題を呼んだ。

オリジナルブランドに加え、米国3大ジーンズブランドの一角を占める「LEE」、「Wrangler」の日本における商権を獲得し、売上高は卸売部門のエドウインが2013年5月期で約261億円、企画・製造部門のエドウィン商事が2012年1月期で約300億円をあげていた。

しかし、ファストファッションの台頭に加え、東日本大震災の影響などから近年の業績は伸び悩んでいた。また、デリバティブ損失の発生なども噂されていた。こうしたなか2012年8月、グループの経理責任者が急死し、その原因が証券投資の失敗などによる200億円の損失隠しにあることが報じられた。

損失発生に関連して、不適切な会計処理が行われていた可能性があるとして第三者委員会が設置され、これに伴い、グループ全体の動向が注目されていた。その後、取引銀行による10数回にわたるバンクミーティングを開き経営再建策を模索していたが、取引銀行の間でも意向の足並みがそろわず、再建計画の策定がなかなか進んでいなかった。

一方、今年10月21日には都内で取引先約130社を集め説明会を開催。席上では、エドウインのフィナンシャルアドバイザーである野村総研から、業績や資金繰りに問題がないことが伝えられたが、具体的な再建策などについて詳しい説明がなく、関係先の間では困惑の声もあがっていた。

すでに返済の一時停止は行われているが、今回の事業再生ADR申請は第三者的な検証を目的としたもの。再建計画についても同様に検証する予定。今後、継続してスポンサー選定も行う計画だ。

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