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経済産業省は8月28日、2011年度の電子商取引に関する市場調査結果を発表した。
<日本のBtoC-EC市場規模の推移>

日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は8.5兆円(前年比8.6%増)まで拡大した。EC化率は2.8%(前年差+0.3%)と増加傾向にあり、商取引の電子化が引き続き進展している。
商品の分野では、ほとんどの業種で前年に比べて市場規模が増加した。特に小売業のうち、医薬化粧品小売、衣類・アクセサリー小売、食料品小売においては、対前年比で20%以上の伸びを示し、すべての業種において、EC化率は上昇した。
<2011年日本、米国、中国相互間の消費者向け越境EC市場規模(推計値)>

日本の消費者による米国と中国事業者からの越境電子商取引(以下:越境EC)による購入額は145億円、米国の消費者による日本と中国事業者からの越境ECによる購入額は1075億円、中国の消費者による日本と米国事業者からの越境ECによる購入額は2331億円であった。
なお、2020年時点での日中間の越境EC規模は、最も拡大する仮定をおいて推計した場合、約2兆円に達すると推計され、日中間における越境ECは大きな可能性を有していると分析している。
<インターネットアクセスに利用する端末(2011)>

日本、米国、中国、フランス、ベトナム、インドネシアの消費者のEC利用動向について調査したところ、ネット利用の端末は、6か国とも、「パソコンのみを利用する」、「主にパソコンを利用し、携帯電話・スマートフォンも利用する」を合わせた割合が8割程度以上で、インターネットにアクセスする際に利用する端末の中心はパソコン。
携帯電話・スマートフォンを利用することがある消費者の割合は、日本(61.7%)、米国(47.8%)、フランス(52.8%)と比べて、中国(80%)、インドネシア(79.3%)、ベトナム(74.5%)の方が高かった。
週1回以上ECを利用する消費者の割合は、中国(42.1%)、ベトナム(29.3%)、インドネシア(23.0%)、米国(17.8%)、フランス(9.1%)、日本(7.4%)の順。
EC利用経験が3年以上の者が、日本・米国では6割を超え、中国・フランスでは5割程度を占めている。インドネシア・ベトナムでは、EC利用経験が2年未満の者が6割~7割を占めた。
ECで購入される商品には共通性が見られ、6か国全てにおいて、書籍・雑誌(電子書籍は除く)と衣類・アクセサリーが上位3位までに入った。
書籍・雑誌(電子書籍は除く)に関しては、各国とも全般的に雑誌より書籍の購入経験割合が高い傾向にあり、書籍の中でも、ビジネス、コミック、文学、生活のジャンルの購入経験割合が大きくなった。
衣類・アクセサリーに関しては、各国ともメンズ、レディースの服&ファッション小物の購入経験割合が大きい。
EC利用上の不安要因として、購入前に実物の商品を確認できない点がインドネシア以外の5か国で1位、インドネシアで2位に挙げられている。
中国、インドネシア、ベトナムでは、配送時に商品が破損する可能性があること(中国、ベトナムで2位、インドネシアで1位)など物流面の不安要因を挙げる者も多かった。
ECの利用意向では、「積極的に利用したい」、「機会があれば利用したい」との回答を合わせた割合は、6か国とも8割を超えていた。
EC利用時のトラブルでは、日本では商品の不良・偽物/サービスの不備によるものが1位に挙げ、他の5か国では、商品の配送/サービス提供の遅れ(数日~1週間程度)によるものが1位に挙げていた。
■電子商取引に関する市場調査報告書
http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/statistics/outlook/bessi3H23EChoukokusho.pdf
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