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経産省/三越伊勢丹HDの事業再構築計画を認定

2009年07月25日 / 経営

経済産業省は7月24日、三越伊勢丹ホールディングス、伊勢丹、三越の産業活力の再生と産業活動の革新に関する特別措置法に基づく事業再構築計画の認定を行った。

昨年3月31日付けで認定を行った伊勢丹と三越の事業再構築計画に、三越伊勢丹ホールディングス(以下:IMHDS)を加え、IMHDSや地域事業子会社を含めたより広いグループ再編を行い、グループ各社が協働してサプライチェーン改革を取り組み、「世界随一の小売サービス業グループ」を目指すこととなった。

なお、2社にIMHDSを加えた事業再構築計画は、7月24日付けで認定を行い、昨年3月に行った伊勢丹と三越の事業再構築計画を同日付で取消した。

今回の認定により、登録免許税の軽減、不動産取得税の軽減の支援措置を受けることが可能となった。

認定した事業再構築の内容は、首都圏旗艦3店(三越日本橋本店、伊勢丹新宿本店、三越銀座店)への集中投資を行い、グループ収益の向上、ブランド力の先鋭化を進めるとともに、サプライチェーン改革を強力に推進する。

取組先も含めた要員配置の見直し、PDCAサイクルの強化・バックヤードの見直しを進め、新しいお買場運営体制を構築する。

これらにより、商品原価の見直し、販売コストの削減、適時適正な在庫管理による販売ロスならびに在庫コストの削減、事務所配置見直しによる外部賃借料の削減等、サプライチェーン全体の効率化を強力に進め、生産性向上を図る。

さらに、店舗体制の再構築として、2010年4月に地域事業会社化を実施し、権限委譲やコストの見直しを行うなど、それぞれの地域に密着した新しい営業体制を構築し、迅速で細やかな営業施策の展開を推進する。

IMHDSの100%子会社として、札幌・仙台・名古屋・広島・高松・松山・福岡にそれぞれ会社を設立し、準備を進め、2010年4月に三越から各地域の百貨店運営事業を各社に移管する。

三越と伊勢丹の店舗が併存するエリアは、新潟をモデルと位置づけ、先行して両店舗の一体運営化・事業会社一本化を進め、2010年4月には三越新潟店と新潟伊勢丹を統合し、新潟三越伊勢丹(仮称)として、事業会社を一本化する。

両店が提供できる品揃えの質・幅を広げ、地域のお客さまの満足を高めていくとともに、後方部門を統合し、物流・事務所スペースの再編・統合等による物流費・賃借料の削減、共同販促による宣伝費の有効活用など、単店舗では成し得なかった効率的なエリア運営体制を構築する。

そのノウハウを活用し、三越札幌店と札幌丸井今井、岩田屋本店と三越福岡店でも一体運営化を進め、提供価値を高めるとともに、効率的な運営体制を構築する。

ことし10月を目処に、吸収分割ならびに株式交換により、岩田屋をIMHDSの100%子会社とする予定で、札幌丸井今井は、7月31日に丸井今井札幌店に関わる事業を譲り受け、8月1日を目処に営業を開始し、体制を整える。

一方、2010年春に、新三越カードをグループ内カード会社より発行し、グループ内のカード機能・インフラの一元化を進める。これにより、カードから得られる情報を生かし、情報分析の精度を向上させることで、お買場・バイヤーの業務負担を軽減し、かつ今後のシステム開発・保守コストを抑えながら、他社には真似出来ない精度と規模を持つ顧客情報を最大限生かした商品・販売政策の推進し、お客さまへの提供価値の拡充を図っていく。

三越の店頭業務に伊勢丹が構築してきた単品管理に代表される一連の情報システムと業務フローなど、営業基盤の導入を進めており、2010年春にはシステムを統合する。

この仕組みを活用し、PDCA(Plan-Do-Check-Action)のサイクルを回す新しいお買場運営体制を整備することで、販売における無駄を削減するとともに、各種ノウハウの共有化を更に促進することで、新たなライフスタイル提案を強化するとともに、それらにかかる開発・運営コストの効率化を図る。

仕入機能を統合し、取引先が安心して協力していただけるロットを確保(仕入・販売規模が約1兆3000億円規模)することによって、国内外からの売れ筋商品の確保をはじめとする商品調達力や国内外のメーカーとの共同開発・販促・販売要員の見直し等、サプライチェーン全体の改革に取組む。

あわせて、グループ全体の会計・経理業務、人材・労務サービス業務、物流機能・ビルメンテナンス及び管理機能、商品の品質管理機能、友の会機能などの各種後方・本社機能ならびにシェアード子会社等について、順次統合を進め、最終形として、2011年4月には三越、伊勢丹の両社を統合する。

クイーンズ伊勢丹が、伊勢丹店舗内のみならず、三越店舗内への出店をすることにより、新しい食品ゾーンを構築し、品揃えの充実と同時に、運営コスト削減をはかる。

外商事業は、統合を進め、営業力強化と後方部門統合による管理コストの削減など効率化を図る。

成長が期待できる通販・WEB事業や中国・アジアでの百貨店事業等は育成・拡大を図る。

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