農林水産省は8月2日、高齢者(65歳以上)等の食料品へのアクセス状況に関する現状分析をまとめた。
最も利用する店舗への距離が遠くなるほど不便や苦労が高まり、道路距離が1kmを越えると不便や苦労が大幅に増大していた。
<食料品の買い物の不便、苦労の内容(全年齢)>(表をクリックすると拡大)
高齢者に限らず、大都市郊外団地の子育て世代が不便や苦労を感じている場合もあり、近くに店舗はあるものの、品揃えで満足できないため、より遠くの店舗に買い物に行くことになり、不便や苦労を感じる場合もあり、特に大都市郊外団地で顕著となっている。
食料品販売店舗までの距離が500m以上の人口は、全国で1400万人(11.0%)、うち高齢者は370万人(14.3%)。
生鮮食料品販売店舗に限った場合は、全国で4400万人(34.7%)、うち高齢者は970万人(37.9%)。
さらに、店舗までの距離が500m以上で、自動車を保有しない人口は、食料品販売店舗までの場合で260万人(2.1%)、うち高齢者は120万人(4.8%)、生鮮食料品販売店舗の場合で910万人(7.1%)、うち高齢者は350万人(13.5%)。
地域別に見ると、生鮮食料品販売店舗までの距離が500m以上の高齢者人口970万人の分布は、三大都市圏に約3割、地方圏に約7割。そのうち自動車を保有しない高齢者人口350万人の分布は、三大都市圏に約4割、地方圏に約6割。
東日本大震災の影響を推計すると、被災地では食料品販売店舗までの距離が500m以上の人口割合が増加しており、特に海に面した平地で市街地が被災した地域は、震災前は食料品アクセスが比較的良かったが、震災後は大きく悪化している。
食料品アクセス問題の解決のために重要なものは、大都市では買い物サポートサービスが、店舗まで比較的近距離な地方都市では新規開店や空き店舗対策が、店舗までの距離が遠い農山村では交通条件改善や移動販売店の充実が重要と考えられている。
食料品アクセス問題への対策の目標として、食料品への、物理的なアクセスの改善と、アクセスの質的向上により、健康的で豊かな食生活が送られることが目指すべきとしている。
国民に対する食料の安定供給のために、地域における消費者への食料品に対するアクセス改善が必要で、民間事業者、地域住民のネットワーク、NPO等による持続的な対応が重要だが、食料品アクセス問題の解決には、中心市街地・商店街の衰退、都市の郊外化、地域公共交通の脆弱化、コミュニティの希薄化、高齢者の健康と栄養問題など多様な政策課題の解決が必要としている。
比較的商圏に恵まれた都市部では、小商圏をターゲットとしたコンパクト店舗の新規開店等、地方都市や農山村では相対的に強いコミュニティを活用したNPO法人と商店街の連携によるコミュニティバス、乗合タクシーによる交通支援、JA(生鮮品)と民間企業(コンビニ商品)による共同店舗運営、集落連携・統合による新たな農村コミュニティづくり等、全国各地で先進的な取組もなされており、その全国的な普及・啓発が課題という。
なお、東日本大震災の被災地では、今後被災者は避難所、仮設住宅、恒久住宅へと移り住むことになるが、復興を遂げるまでの間及び復興後の食料品へのアクセスの確保が重要な課題としている。
■高齢者等の食料品へのアクセス状況に関する現状分析http://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/kihyo01/pdf/110802_1.pdf
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