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トリドール/2025年度に世界6000店、売上高5000億円を目標に

2015年07月30日 / 店舗海外経営

トリドールは7月30日、2025年度に世界6000店・売上高5000億円を達成し、外食企業世界ランキングで世界のトップ10入りを目指すグローバル戦略を発表した。

<粟田社長>
粟田社長

2025年度には、丸亀製麺を中心とする国内既存事業で1300店・1300億円、クローバー珈琲焙煎所など国内新事業で700店・800億円、6月にオランダで買収したWOK TO WALKなど海外事業で4000店・2900億円の事業規模を目指す。

<グローバル戦略の数値目標>
グローバル戦略の数値目標

同社の2015年3月期の売上高は872億9400万円で、店舗数は950店だった。海外では50店(うちFCなど30店)を出店、9店(うちFCなど4店)を閉店し、102店(うちFCなど69店)を展開。

海外売上高は60億1500万円(99.7%増)となったが、海外での出店費用がかさんだこともあり、営業損失7億3000万円(前期は7億6100万円)を計上した。

<グローバル戦略の店舗展開>
グローバル戦略の店舗展開

粟田貴也社長は30日に開いた記者会見で、「1998年をピークに高齢化やデフレにより、日本国内の食市場が縮小していく中で、海外が成長の可能性が大きく、世界に打って出ることで、日本発のグローバルな外食ブランドを目指す」と語った。

主力業態の丸亀製麺の成長が鈍化する中で、日本国内では伸長する郊外型カフェに参入。手作り感やシズル感を活かした「クローバー珈琲焙煎所」を展開。創業業態の郊外型ファミリーダイニングの焼鳥店「とりどーる」を関東圏へ投入しテコ入れを図る。

海外進出にあたっては、各地域の多様な食文化への対応や食品規制を配慮。展開エリアごとに適した業態を投入する。日常性・大衆性を重視し、地域性・文化性を加味した上で、多店舗化のスピード展開を目指す。

アジア・ハワイは、主力業態の丸亀製麺を中心に展開。台湾の店舗は、店舗数は10店と少ないものの、売上高は日本国内の店舗よりも平均で2倍高い実績も上げているという。

2050年には人口規模で世界の中心となる予測されるアフリカにも注目。現在、テリヤキチキンを中心とした「teriyaki JAPAN」を展開する。

欧米の外食チェーンがまだ本格参入していない段階で、出店することで、未開拓地に根付くブランドを開発、育成。先駆者利益を確保しつつ、現地での外食のスタンダード化を狙う。

北南米・欧州はM&Aを視野にいれたグローバルブランドの開発・育成を実施。5月にファストカジュアル市場でミドルアッパーの価格帯のロスアンゼルスのレストラン「Kata Street Kitchen」をグループ化した。

6月にはオランダ・アムステルダムのアジアン・ファストフード「WOK TO WALK」の運営会社の60%の株式を取得し、グループ化した。「WOK TO WALK」は北南米・欧州での主力業態の位置づけで、2015年67店を2020年には500店まで拡大する計画だ。

グローバル戦略を進めるにあたり、今後3年間で10億円規模の積極的なM&Aを実施する方針だ。

粟田社長は「丸亀製麺では開拓が難しい地域や宗教上の理由などから、既存業態では対応できないエリアに進出するための業態をM&Aの対象とする。価格帯では大衆性を重視しているが、Kata Street Kitchenのようにミドルアッパーの価格帯を展開する業態をM&Aすることで、価格軸でも現在の欠落を埋めていきたい」とM&Aの方針を説明した。

資金規模は10億円であるため、対象企業を買収する形ではなく、両社のパートナシップに基づく提携や合弁会社の設立が中心となるという。

トリドールでは、すでに出資を取りやめた案件や事業計画を中心した案件もある。新規事業の撤退の見極めについては「事業である以上、採算が取れる必要がある。1年間赤字であれば撤退する。また、パートナー企業との思いが異なるケースも中止・撤退するべきだ」と説明した。

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