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キーコーヒー/通期の売上高1.7%減、営業利益2.2倍に

2009年05月11日 / 決算

キーコーヒーが5月11日発表した2009年3月期連結業績によると、売上高531億3500万円(前年同期比1.7%減)、営業利益5億8900万円(124.0%増)、経常利益8億4000万円(26.1%増)、当期利益3億5300万円(80.0%増)となった。

新事業の取組みとしては、独自の自家焙煎システム「SRS(ショップ・ロースティング・システム)」を開発し、モデル店舗「錠前屋珈琲」を都内に出店した。新市場を創出するために、一人前のコーヒーが個包装され、専用のコーヒーマシンにセットするだけで誰でも手軽に香り高いコーヒーが楽しめるコーヒー抽出の新システム「SOFT POD(ソフトポッド)システム」の展開を始めた。

新容器仕様の開発では、粉砕直後のレギュラーコーヒーを缶容器に充填することを可能にした世界初の製法「AROMA FLASH(アロマフラッシュ)」を開発した。新たな顧客層を開拓する施策としては、海外のキャラクターに着目し、世界各国の女性に人気の高い絵本のキャラクター「リサとガスパール」とのコラボレートギフト商品を発売。

業績面については、原材料価格の高騰に対し調達から製造・物流面までのあらゆる作業工程の見直しや業務の効率化を行い製造原価の抑制に努めた。効率的な営業活動を展開するために、営業拠点の再配置なども推進した。

事業別でみると、コーヒー関連事業については、業務用市場では、トアルコトラジャコーヒーを提供する店とのパートナーシップの強化など、トアルコトラジャブランドの認知浸透・価値向上のための諸施策を推進するとともに、生豆を一定期間氷温(0℃以下で物が凍るまでの温度域)で熟成した「氷温熟成珈琲」、有機栽培コーヒーやレインフォレストアライアンスコーヒーなどの高付加価値商品の拡売に努めた。

家庭用市場では、商品カテゴリー別に商品力向上を図るためのリニューアルや新商品投入を行う一方、価値訴求を行うマーケティング活動を展開した。

直営のビーンズショップでは、日本人ブラジル移住100周年を記念し、ブラジルコーヒー産業での日本人移民の変遷を辿る4種類のコーヒーと詰め合わせギフト商品を発売した。オフィスコーヒーサービスの市場では、取引先とのコミュニケーションを深め、品質訴求を中心にした提案活動や販促活動を行なうとともに、自販機市場では、付加価値の高い新商品を投入した。

原料用市場では、永年に亘り培ってきた世界各地のコーヒー産地とのネットワークを生かした企画提案型の営業活動を強力に推進した。キーコーヒーコミュニケーションズは、主力のオフィスサービス事業でコーヒーの小型自動販売機や給茶機の導入拡大などを行い、通販事業では「KEYCOFFEE通販倶楽部」の会員増加策を推進した結果、登録会員数は前期に比べ大幅に増加した。コーヒー関連事業の売上高は469億6400万円(1.5%減)、営業利益は12億7900万円(17.6%増)となった。

飲食関連事業では、イタリアントマトは、創業30周年の節目の年を迎え、各種謝恩キャンペーンを実施した。有名シェフとのコラボレートを行い、スウィーツ新商品や季節感を取り入れた新メニューを導入した。東京ドームシティに本格的ハンバーガーやスペシャリティサンドイッチがコーヒーと一緒に楽しめる新業態店舗「ザ・バーガーズ トーキョー」をオープンしたほか、大規模ショッピングセンター内を中心に主力のカフェ業態を展開した結果、国内外合わせて27店舗(直営店6店、FC店21店)を新規に出店した。

一方、不採算店舗を中心に28店舗(直営店2店、FC店26店)を閉鎖したため店舗数は316店舗(直営店62店、FC店254店)となった。飲食関連事業の売上高は52億6000万円(1.2%減)、営業利益は7900万円(38.0%増)となった。

2010年3月期連結業績予想は、売上高526億5000万円、営業利益10億6000万円、経常利益13億3000万円、当期利益6億円を見込んでいる。

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