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スーパーマーケット/2010年は「格差」拡大

2010年12月27日 / トピックス

日本スーパーマーケット協会の大塚明専務理事は「2010年は、景気全体の動向が業界全体の動向を必ずしも反映せず、個別企業ごとに明暗が分かれた年となった」などと今年の食品スーパーマーケット業界の全体動向を総括した。
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12月27日に開かれたスーパーマーケット販売統計調査の発表会見で述べたもの。同氏は、日本スーパーマーケット協会の2004年から2010年11月までの対前年比業績推移と既存店の部門別対前年比推移の動向を分析した。
過去7年間の動向によると、原材料の高騰で値上げが相次いだ2008年までは水産物が苦戦しても精肉、惣菜が好調など別の部門が伸びていた。リーマンショック後の2009年からは、全部門が前年割れの状況となり、既存店売上高だけでなく、新店を含めた全店売上高でも前年対比を割り込む状況が生まれたと指摘した。
業績については、価格競争の激化で売上高や粗利高が伸び悩むなかで、販売管理費のコントロールを中心に経費を下げることで利益を出す企業と経費のコントロールがうまくできない企業での格差が生まれ、景気動向全体が業界全体の動向と一致せず、景気低迷化でも業績を伸ばす企業が目立つ年となったという。
2010年の業界の動向としては、大商圏型の店舗の業績が落ち込む中で、小商圏でも成立する食品スーパーやコンビニエンスストアが出店の主流となり、都市型小型スーパーマーケットの開発やネットスーパーへの挑戦が続いた。
業績が良いスーパーマーケットの訴求点としては、「地域対抗堅実型」「首都圏市場立地型」「ソリューション対応型」「EDLP(エブリデーロープライス)型」などの特性がある。
首都圏では高い賃料コストでも売り場の1坪あたりの販売効率を上げている店舗、EDLP型では、販売管理費の面で安く売れる構造を作って安売りをする企業が好調な年であったと分析した。
地域の格差も拡大した年で、首都圏では、好立地の確保や商品・価格の差別化が求められた。一方で、人口減少が始まっている地方では、消費低迷と低価格競争の激化で経営環境が厳しさを増しており、M&Aによる再編や残存者利益の享受による成長がテーマとなると指摘した。

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