三越伊勢丹ホールディングスは6月13日、羽田空港国内第2旅客ターミナル内出発ゲートラウンジに「イセタン 羽田 ストア(メンズ)ターミナル2」をオープンした。
出発ゲートラウンジ内という一般客が利用できない制限区域内への出店で、羽田空港内では、2012年4月に国内第1旅客ターミナルにオープンした「イセタン 羽田 ストア(メンズ)ターミナル1」に続く2店目。
大西洋社長は「新しい販売チャネルを開発していく時期に、日本空港ビルデングさんから新しい店舗の話をいただいた。旅をテーマに作った店舗だが、1号店では、新宿のメンズ館のお客さんよりも物にこだわり、普通に買い物をする人が多いことが分かり、35%は固定客だった。まだまだ、要望に応えきれていない点は、修正していきたい」とあいさつした。
旅客ターミナルを運営する日本空港ビルデングの鷹城勲社長は「旅客手続きの迅速化・簡素化が進み、制限区域内の利用客の時間の過ごし方が変わってきている。2020年の東京オリンピックへ向け国際線の利用客も増える。今後も、機能性・利便性をもったターミナルビルを打ち出す」とあいさつした。
店舗は、居心地の良いラウンジ感覚の、百年品質のモノ・コト提案による高感度編集ストア。男性を中心に、日々国内外をアクティブに飛び回るビジネスマンやバカンスを楽しむ人をターゲットとしている。
ターミナル2の売場面積は約440㎡。旅の準備、ビジネスシーンを想定した「ジェットセット」、旅の楽しさ、オフタイムを想定した「リラックス」、旅の心遣いを想定した「ギフト」の3つのゾーンで売場を展開。
商品構成比率は、ジェットセット60%、リラックス30%、ギフト10%。売上構成比も商品構成比と同等を想定する。店舗右手にジェットセット、中央にギフト、左手にリラックスを配置した。
そのほか、店舗の入口にカフェを併設し、店内にもカフェの客席を設けた。1号店は売場面積約850㎡と2号店よりも大きく、カフェラウンジをイメージしたが、2号店は売場面積が縮小したため、カフェスタンドと位置付け、テイクアウトを中心に運営する。
総アイテム数は1000~2000アイテムで、展開ブランドは150~160ブランド。想定客単価は1号店の実績と同等の1万5000円で、目標年商は3億円。1号店は年間売上高は約5億円で、売場面積に対応した売上目標を掲げた。
1号店との最大の違いは、アパレルを強化した点にある。1号店の商品構成比率は雑貨90%、アパレル10%程度だったが、2号店は雑貨70%、アパレル30%とした。
当初は旅をテーマにしたため、靴、バッグ、財布などの小物、アクセサリーなどを中心に展開したが、通常店舗と同様に、買い物をする人が予想以上に多いため、アパレルを強化し、スーツの取り扱いを開始した。
スーツはオリジナルブランドの「ISETAN MEN’S」のみで11型を展開、サイズ展開は44~50までの3サイズ~4サイズと伊勢丹メンズ館よりも絞り込んだ。店舗面積の制約から、メンズ館で40代、50代のビジネスマンにニーズの高い商品をそろえた。
商品は、地下1階から地上8階で展開する新宿の伊勢丹メンズ館の売れ筋商品を集積。1フロアで伊勢丹メンズ館の品ぞろえを体験できる店舗を目指した。
商品ディスプレイも、世界最高のファッションミュージアムを目指す伊勢丹新宿本店の形式を踏襲し、博物館のような陳列とした。
定期的に実施している顧客アンケートによると、1号店のオープン3か月間の「エムアイカード」の保有者の利用率は10%程度だったが、現在は25~26%程度まで、向上している。2号店でも、新規顧客の開拓を進め、新規の「エムアイカード」の顧客を増やしていく方針だ。
1号店の顧客動向では、お金はあるが時間がなく、買い物に時間をかけられない人が多く、伊勢丹が薦める商品を、知りたいという人が多かった。そのため、自主編集売場でありながらも、ブランドを軸に商品を展開した。
伊勢丹メンズ館のお客は、ファッションの上級者で自分で商品を選びたい人が多い。羽田ストアは、ファッションの上級者ではなく、お勧めを知りたいニーズが強いという。
靴では、「エドワードグリーン」「ジョンロブ」「ジェイエムウエストン」の3つのブランドを打ち出した。1号店と同様に、靴磨きサービスも税別1000円と1500円で提供する。靴みがきは、1号店ではリピーターがつき、好評のサービスとなっている。
一般客が利用できな制限エリアのため、1日の平均来店客数は約1000人で、1万人を超える新宿店に比べ極端に少ない。一方で、1日あたりのお客に対する接客時間や接客密度を高くできるため、買い上げ単価は高い。
1号店の利用顧客は、、週に1回飛行機を利用する人が20%、月に1回飛行機を利用する人が50%という比率になった。そのため、通常の百貨店と異なり、約1か月(4週間)を目途に、店頭プロモーションを変更し、売場の新しさを打ち出す。
羽田ストア(メンズ)ターミナル2は、店舗入口のエントランスが16mと視認性が高い構造のため、エントランスに4つのプロモーションコーナーを設け、モノやコトを軸にしたプロモーションを展開する計画だ。
1号店は、メンズストアでありながら、利用客の約3割が女性となっている。そのため、7月18日には、羽田空港国内第1旅客ターミナル内出発ゲートラウンジに「イセタン 羽田 ストア(レディス)ターミナル1」を出店する計画だ。
大西社長は「レディスの予測はものすごく難しいが、当社が得意とする中分類、小分類を生かした店舗を作る。メンズ同様に1号店に修正を加えながら完成度を高めたい」と語る。
2015年には、名古屋駅前の「大名古屋ビルヂング」商業ゾーンに、中型編集店舗のセレクトストアを出店する計画がある。セレクトストアでも、「イセタン 羽田 ストア」の実績を生かしながら、メンズとレディスの独自性と編集力のあるファッション編集ストアを目指したいという。
店舗概要
所在地:羽田空港国内線第2旅客ターミナル
2階出発ゲートラウンジ65番搭乗口付近
店舗面積:約440㎡
営業時間:8時~20時
■イセタン 羽田 ストア
http://isetan.mistore.jp/store/other/haneda/index.html
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