三越伊勢丹は4月3日、六本木の複合施設「東京ミッドタウン」の商業ゾーン「ガレリア」1階・2階に、新業態のセレクトストア「ISETAN SALONE(イセタンサローネ)」をオープンした。
大西洋社長は「お客さまとの関わりの中でしか百貨店は成長できないが、大きな従来型の百貨店は作れない現状がある。これまで3年間、デイリーユースに対応した品ぞろえの小型店を出店してきたが、今回、初めて新宿本店と同じファッションを切り口とした中型店をオープンする。最初の1回目は来店してもらえるだろうが、2回目に来店してもらって初めて、この店舗が評価される」とあいさつした。
「伊勢丹新宿本店と連動するサロンとしての役割を持ち、MY COMFORTABLE SALON(お客さまにとって居心地の良い上質な場所)で、パーソナルなおもてなしを提供する」(同社)。
東京ミッドタウン周辺エリア(港区等)を戦略的マーケットとして位置付け、重要な顧客接点の拡大の拠点として、事業展開する。
売場面積は1階・2階の合計で約900㎡、1階に宝飾・時計、ハンドバッグ、グッズ(雑貨)、プロモーション、2階に、婦人服、スカーフ・帽子、アイウエア、コスメ、ボディケアフレグランス、婦人靴を配置した。合計で、約90ブランド、1500SKUを展開する。
「イセタンサローネ」のストアコンセプトは「商品とアートの融合」。伊勢丹新宿本店の有する商品編集・提案力を背景に、モードからリアルクローズまで高感度な独自編集によるレディスファッション、世界中から選りすぐった雑貨やコスメを提案する。
種村俊彦店長は「伊勢丹新宿本店でできなかった密度の高い接客ができるのが最大の特徴。大型百貨店では、靴と洋服を一緒に提案するのに、1人のスタイリスト(販売員)が、お客さまに同行できないなど、商品部門間の制約のある接客が中心だった。伊勢丹サローネは、ちょっと歩くだけで、靴から洋服、バックまで全身のコーディネートができる売場を横断できる。ひとり一人のお客さまに寄り添った、より精度の高いスタイリング提案を打ち出していく」と語る。
売場面積が約900㎡という制約があるため、品ぞろえは婦人服に限定した。2階入口には、六本木エリアで最大となる約30ブランドを集積した婦人靴売場を展開。新宿本店でも、好評な婦人靴売場を入口に配置することで、伊勢丹本店との連動性を打ち出した。
自然光が取れる窓側の売場には、六本木エリアで最大となるコスメエリアを配置した。店舗デザインを担当した新素材研究所の杉本博司氏は、自然光を取り入れることで、女性の素肌の美しさを引き出せる売場を目指したと語る。
化粧品コーナーは、婦人服売場と断続的に壁で仕切った構造で、手前と壁面にセミセルフ販売の化粧品、後方の窓側には、カウンセリング販売を行う4つのブランドを配置。セミセルフとカウンセリング販売をミックスした初の化粧品売場に挑戦した。
2つの販売方法の化粧品を1つに集約することで、気軽にさまざまな化粧品に触れてみたいというニーズと、しっかりと自分の素肌にあった化粧品を提案してもらいたいというニーズに対応する。
化粧品売場の前には、ボディケアとフレグランスコーナーを配置。ボディケアでは、美顔ローラーもコーナー展開し、化粧品コーナーとの連動性を高めた。
主力の婦人服では、新宿本店と同様に、自主編集を打ち出した売場を展開。売場什器を統一し、ブランドごとにコーディネート提案を打ち出した。
店舗後方では、壁面に吊り下げ什器を採用。中央にマネキンと売場を配置することで、すっきりと開放感のある売場を演出した。
2階では、サングラスを中心としたアイウエアやヘアアクセサリー、スカーフといった装いにアクセント加える商品もコーナー展開した。
2階売場の最後方には、VIP顧客が利用できる大型のフィッティングルームとしてサロンを設置。サロンでは、お客の好みに合わせた音楽を流すなど、よりお客に寄り添ったサービスを提供する。
種村店長は「VIP顧客は、単なる店舗の利用金額ではなく、スタイリスト(販売員)とお客さまの関係性を重視して決定したい。一律の金額のようなルールでは、単なるサービスの延長だが、人間的な関係性を重視することで、サービスを越えたおもてなしをし、新宿本店ではできないようなゆったりとした時間と空間を提案したい」と語る。
大西社長は「残念ながら、港区のお客さまは、それほど新宿本店まで、足を運んでいただけていない実情がある。ゆったりとしたフィッティングルームでの、スタイリストの接客と新宿本店のファッションを凝縮した品ぞろえで、百貨店を見直していただくきっかけとしたい」という。
1階には、宝飾・時計、ハンドバッグを展開。時計ではFranck Mullerを大きく打ち出し、ハンドバッグでは、FendiとValentino Garavaniを取り上げた。
ブランドの選定にあたっては、六本木の商圏特性を考慮した。現在、六本木の商圏では未開拓のブランドを集めたほか、アパレルで打ち出したモードと親和性が高いラグジュアリーブランドに協力を呼びかけた。
1階中央には、プロモーションコーナーを配置。オープン時は、モードの基本色である黒と白、モノトーンの世界感を人気デザイナーのウエアや雑貨、オリジナルブランドやイセタンサローネ限定品を編集して提案した。
新宿本店のプロモーションコーナー「パーク」に相当するスペースで、新宿本店の企画と連動した提案のほか、イセタンサローネ独自の提案を、不定期に連続して実施することで、いつ来店しても新しい提案に出会える鮮度感のある売場を構築する。
プロモーションの左手には、壁面を中心に雑貨を集積した「ザ・コーナー@イセタン」を配置。伊勢丹が選定した本当に良いと思える雑貨を、部門を横断して表現した。
壁面前の平台では、イセタンサローネオリジナル雑貨を配置。ショッピングバッグ、iPhoneケース、扇子などを提案する。
1階店舗入口前では、ファッション誌のVOGUE(ヴォーグ)、自動車のBMW、伊勢丹の3社のコラボ企画のディスプレイを実施。車の販売は行わないものの、外車の保有率が高い六本木地区の顧客へ向け、外車に似合うファッションを提案する。
大西社長は「洋服が売れない中で、雑貨の構成比を高める流れが全体としてあるが、ファッションの文化は洋服からスタートしている。新宿本店と同様にファッションにこだわりたい。2、3か月をかけて、1号店の商品構成比率などを検証したい」と語る。
イセタンサローネの2号店の出店計画は未定だが、東京ミッドタウンと同様にファッション感度が高いエリアを想定する。店舗面積は1000㎡~5000㎡で、2018年度に最大で10店程度の体制を目指す。
1万㎡が新宿の伊勢丹メンズ館の大きさで、1つの館で1つのカテゴリーを横断して提案できる大きさとなる。ただ、1万㎡の出店は難しく、3000㎡~5000㎡という大きさもあり、ここは新たな専門店が生まれる領域だという。
1000㎡を切る1号店では、商品の絞り込みが必要で婦人服に焦点を絞ったが、2000㎡~3000㎡ならば、リビングを含めた売場も想定できるという。
店舗概要
所在地:東京都港区赤坂9-7-4
東京ミッドタウン・ガレリア1階・2階
TEL:03-6434-7975
営業時間:11時~21時
売場面積:約900㎡
展開ブランド:約90ブランド
■イセタンサローネ
http://isetan.mistore.jp/store/shinjuku/isetansalone/index.html
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