イオンスタイル津田沼サウス/MZ世代向けMD強化、食・コスメ特化型の新店オープン
2026年03月18日 11:53 / 店舗レポート
イオンリテールは3月18日、千葉県習志野市の「イオンモール津田沼 South(サウス)」地下1階~地上2階に、同SCの核店舗「イオンスタイル津田沼 South」をオープンした。
<農産売場を紹介する三浦店長>

※写真はいずれも3月16日流通ニュース撮影
総合スーパー(GMS)として、生活に必要なものが全てそろう既存店「North(ノース)」に隣接。幅広い客層を取り込む既存店に対し、新店「South」では、MZ世代をターゲットに棲み分けを行い、若者向けのMDを導入している。
3月16日に開催された内覧会で、イオンスタイル津田沼Southの三浦伸緒店長は新店について「新しい層を取り込むという視点で店作りを行った。(ノースとサウスで)コンテンツをしっかりと分けることによって、相互で集客できると考えている」と述べた。
同氏によると「普段の買い物をして頂けるノース(既存店)の品ぞろえに対し、かなり特色を出した。より専門的な商品や高感度・アッパーなものを買いたいという層に、そのニーズを補う形をとっている。生鮮食品についても、対面販売や新規の販売方法を導入した」という。
地下1階では生鮮食品を強化
以下、具体的な取組を紹介していく。
まず食料品は、地下1階と地上1階の2フロアで展開する。特に地階1階では、顧客からの「かつて津田沼のSCにあった魚や肉の専門店が欲しい」などといった声を受け、生鮮食品を強化。ライブ感・シズル感を追求する。
農産売場「デポ デ サンテ」では、旬のフルーツを使った店内加工のカットフルーツに注力。果実を使用したワッフルや杏仁豆腐・チーズタルトなど、本格的なデザートも取りそろえる。
野菜売場では、イオン直営のイオンアグリ創造が運営する千葉柏農場から直送野菜を提供。フードロスの観点から、形や大きさなどの理由で通常は店頭に並ばない「もったいない野菜」もお値打ち価格で販売する。環境に配慮したトップバリュ・グリーンアイ・オーガニック野菜をコーナー化し、地元生産者を中心としたこだわりの野菜を豊富に取り扱う。
魚・水産売場「魚魚旬楽(ととしゅんらく)」では、対面鮮魚の魚を使用した、焼き魚、フライ、天ぷら、煮魚、弁当を提供。注文を受けてからフライや唐揚げに調理するサービスにも対応する。
対面コーナーに隣接して、すぐに食べられるマグロ・サーモン・蒸しだこなどの角切り商品の量り売りコーナーを初めて設置。海鮮丼や漬け丼などの料理にもおすすめだという。
イオンリテールが2025年にスタートした、新モデルの肉売場「MEAT PARK(ミートパーク)」も今回、関東初導入。顧客ニーズの高いカテゴリーを6つに分類し、それぞれ「焼肉」、「ドカ盛り」、「簡便調理」といった形でゾーンを展開し、選ぶのが楽しい売場を演出している。
要望に応じた厚さや量にカットする「オーダーカット」や、必要な分だけを量り売りできる対面販売コーナーを用意。銘柄和牛や千葉県産豚肉のほか、焼肉屋で人気の牛タンやカルビ、ホルモンなどの焼肉用のアイテムを幅広く品ぞろえし、専門スタッフが美味しい調理方法を提案するという。
フローズン売場では、約80種類のご当地麺をコーナー展開。北海道の味の大王カレーラーメン、盛岡冷麺、名古屋の味噌煮込みうどん、北九州のソウルフード「資さんうどん」などを取りそろえる。さらに、韓国発のアイス「3Dフルーツアイス」、「アサイーヨーグルトボール」のほか、チーズボールやトッポギ、キンパなどの韓国グルメも用意した。
フランスの冷凍食品専門店「ピカール」の人気商品も用意。人気のクロワッサンをはじめ、シーフードメニューやカラフルな見た目のマカロンといったスイーツなどを取りそろえる。
デリカ&ベーカリーではDXにも着手
1階では、イートインコーナーをフロア中央に配置し、コーヒーや四角い切り売りピッツァを販売。店内手づくりのベーカリーを隣接させ、ローストビーフを使用したクロワッサンサンド、ベーグルサンドのほか、ロールケーキやチーズケーキブレッドなど約90種類をラインアップした。
従業員オペレーションを見直し、省人化にも着手。ピザを注文して出来たてをテイクアウトできるシステムも導入した。AIの計量機も導入し、AIで自動的にベーカリー商品を選別してラベルを発行できるようにしている。
寿司や銘菓、紅茶・コーヒーの一部商品を1個単位で提供するなど、選ぶ楽しさも提供。「お寿司バイキング」として、約50種類の寿司を個包装で販売し、好きなネタを好きな量だけ購入できるようにした。
普通のスーパーではパック販売が主流のため、どうしても苦手なネタや欲しくない物までセットになりがちだが、好きな物だけを選択できるため、子どものいる家庭の購入を見込む。
ここでもAIの計量機を導入しており、画像で商品の色や形で選別してラベルを発行するという仕組みを取り入れた。
なお、個包装の寿司自体は約10年前にも一時期導入したことがあったが、以前の実装時には、同じ価格でバラ販売して個数だけ計算するという販売形式を採用。今回から商品ごとに値段が違っても全部識別・比較して、ラベルが印字できるようになった。
このほか、国産鶏を使用した「唐揚げ 唐王」や三元豚のロース肉を厚切りにしたトンカツ、特製メンチカツ、店内調理の総菜を使用した弁当などイオン内でも唯一の商品を用意した。
そしてイオンリカーでは、試飲やソムリエとの会話などの体験を通じてワインの世界を堪能できる新業態を展開する。特にワイン、洋酒、日本酒の品ぞろえにこだわっており、Northの既存店に対してワインの品数は約4倍、洋酒も約4倍、日本酒は約5倍だという。
コスメをMZ世代に向けて訴求
そして2階では、イオンリテールが展開するヘルス&ビューティケアの売場「グラムビューティーク」を、よりビューティアイテムに特化させた新モデル「Sokko beauty(ソッコービューティー)」として展開。24年4月に販売開始した自社のコスメブランドと同じ名を冠する。
売場には、主に人気のプチプラコスメやアジアンコスメなどを集積した。顧客自身でブランドを超えてテスターできる「ビューティカウンター」のほか、既存店でもおなじみとなった、メイクをバーチャル画面で試せる「ARバーチャルメイク」も設置。ARメイクでは、12ブランド、約800種類の化粧品が試せるという。
店の規模感自体は、既存のグラムビューティーク大型店とほぼ同等。全町50メートルの大型デジタルサイネージを導入した訴求力の高い売場と、フレグランスにも注力した点で新鮮さを打ち出す。
美の体験型コーナーを盛り込み、顧客体験を進化させる。理美容家電のお試しコーナーを設置したほか、フレグランスコーナーには、香水を一回単位で試せるスプレー自動販売機も導入した。アイブロウ、リップ&チークなどのカテゴリごとに分類して売れ筋商品を紹介するランキングコーナーも展開している。
既存のグラムビューティークも現在、MZ世代をターゲットにしようとしているが、売場全体で見た時に調剤薬局やシニアケアという要素も入ってくるため、必然的に顧客の年齢層が高まってしまうという課題があった。
そこで今回は、ヘルス&ビューティケアの「美容」部分に絞ったという。商品の8割を若年層向けの構成とし、残りの2割はハイブランドなどこだわりのアイテムを取りそろえる。
エコストアジャパンが提供する、洗剤の中身だけを購入できる量り売りサービス「エコフィル」の自動充填機をイオンで初導入。キャップを外さず、専用パックを詰め替え機にセットし、画面上のボタンを押すだけで量の選択も詰め替えも簡単に完了する。
専用パックは、持ち運びの際にも液漏れしない安心設計。さらに、空になったパックは平らにして、コンパクトに持ち運び可能だ。容器を持参して充填することでプラスチックのゴミを削減できるなど、SDGSの関心の高い人のニーズにも応えていく。
若年層をターゲットとしたUFOキャッチャーも設置。景品が全てコスメになっており、特に10代をターゲットとしている。ただ買物に来る場所を提供するだけでなく、エンタメによる楽しさも演出した。
このほか、同フロアには、イオングループで運営しているラグジュアリーコスメのセレクトショップ「コスメーム」、ウエルシアグループによる国内の百貨店ブランドを扱う「カラースタジオ」も導入。グループ内の3店舗をワンセットで組み合わせた珍しい売場を構築している。
取材・執筆 古川勝平
流通ニュースでは小売・流通業界に特化した
B2B専門のニュースを平日毎朝メール配信しています。













