イオン／花王と物流共同化でCO2削減

2014年09月04日／経営

イオンと花王は9月4日、東京－福岡間の商品輸送について、鉄道コンテナによる共同往復利用を開始した。

＜鉄道輸送往復運用実験風景＞

イオンは物流子会社のイオングローバルSCM、花王はロジスティクス部門（以下、花王）が、東京から福岡への往路では花王製品を、福岡から東京の復路ではイオンの「トップバリュ」を同じ鉄道コンテナで輸送する。

トラック輸送と比較し、往復の配送で約2.8トン程度CO2排出量の削減を図るとともに、輸送効率化・物流コスト低減を実現する計画。

従来のJRコンテナに比較して約2.5倍の長さがある31フィートコンテナを使用することで、トラックから鉄道へのスムーズなモーダルシフトが可能となった。

イオンでは、鉄道往復輸送の拡大により運賃のコスト削減も見込まれ、イオンのブランド「トップバリュ」商品の合理的な低価格の実現に寄与するものと期待している。

＜鉄道輸送往復運用の概要＞

両社は、CO2排出量削減のため鉄道輸送拡大に向けて小売業やメーカー有志により結成された「鉄道輸送研究会」において、イオングローバルSCMから花王に今回の取り組み提案があり、花王が賛同して検討を進めていた。

今年4月から8月にかけての実証検討を進め、共同輸送の運用面では、互いの発注から納品までに要する時間の確認、発着地での大型コンテナによる積込・荷降しなどについて調整し、対応が可能になった。

製品品質については、輸送時の温度や振動・コンテナ内装材質の影響などを検証するため、12フィートコンテナを使用した予備検証、31フィートコンテナによる輸送テストを実施。

往路で香り付き洗浄剤を載せたコンテナに、復路でペットボトル入り飲料水を載せるため、製品へ香りが移ることが懸念されたが、臭気計による計測や官能評価を重ね、特別な対策を講じる必要がないことを確認し、実現に踏み切った。

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