有隣堂と三井不動産商業マネジメントは6月19日、神奈川県藤沢市の商業施設「トレアージュ白旗ショッピングセンター」2階に、新業態書店「有隣堂トレアージュ白旗店」をオープンする。
「有隣堂トレアージュ白旗店」は、有隣堂が三井不動産と三井不動産商業マネジメントと協働でショッピングセンター(SC)向けに開発した新業態。店舗面積は約540m2で書籍・文具を販売し、目標年商は2億円とした。
新たな試みとして、滞在時間の長時間化、買い回りの向上を図るため、店舗内にお客がゆったりとくつろげる約90m2のフリースペース「トレアージュガーデン」を設置。SC内の異業種と連携したさまざまなサービスを提供するのが特徴。
トレアージュ白旗は2003年4月に開業したライフスタイルパーク型のSCで、駐車場を囲み、地上2階建ての商業棟3棟を設置。敷地面積約1万2200m2、延床面積約8700m2、店舗面積約5400m2に約20店を集積する。
SCには、フレッシュネスバーガー、タリーズコーヒー、100円ショップのダイソー、インテリア・雑貨のFrancfranc Le Garageなどが出店する。
新規出店にあたり、有隣堂と三井不動産で、既存のテナントとの連携を企画。フレッシュネスバーガーやタリーズコーヒーは、有隣堂内の「トレアージュガーデン」にメニューを設置。トレアージュガーデンから商品を注文でき、店内まで配達をする。
フレッシュネスバーガーは一部の店舗で実施している配達サービスをSC内に適用。通常は700円以上の注文からで、300円の配送費用を徴収するが、SC内では1品から注文ができ、配送料は無料とした。タリーズコーヒーは店舗独自のサービスとして、配達を実施。1000円以上の注文から有隣堂への配達に対応する。
洋菓子店のAKI’Sの商品を「トレアージュガーデン」に持ち込んで食べることができる。店内での飲食に対応するため、燃えるごみ、あきかん、ペットボトルを分別できるゴミ箱を店内に設置した。
店舗内のデジタルサイネージでは、おすすめ書籍の紹介、映画化した書籍の紹介のほか、電車の遅延情報など地域情報も配信することで、利便性を高めた。
Francfranc Le Garageで販売するソファを店内に設置。ソファアの選定や配置は、フランフランの店長が担当した。フラワーショップのHANAYATAは、観葉植物を展示。今後、フラワーアレンジメントの展示なども予定している。
店舗入口に近いプロモーションコーナーには、トレアージュ白旗店のショップおすすめ本をコーナー展開。トレアージュ白旗に出店する10店の専門店が、不定期におすすめの書籍を紹介する。
ショップインフォメーションコーナーでは、トレアージュ白旗に出店する専門店のパンフレットやチラシを集積し、SC内での相互送客も目指した。
「トレアージュガーデン」はワークショップスペースとしても利用できる。事前予約制で、席を確保でき、無料で地元のサークルやママ会などにスペースを貸し出す。有隣堂の社員によるワークショップや、タリーズコーヒーのコーヒースクール、明光義塾の出張ミニ授業などのイベントを共催する予定だ。
ボランティア活動やサークルなど、さまざまな活動にも開放することで、地域活動の拠点として利用してもらい、利便性の高い店舗を目指す。
松信健太郎常務は「街の書店が消えていく中で、書店の本質を考えた。郊外型SCの大型書店とは違う街の書店とは、本を売る場所であるより、地域のお客の生活の場と位置付けた。お客が喜ぶ商品をそろえ、イベントを行い、地域の幸せを考えることで、もう一度、街の書店が復活するきっかけとしたい」と語る。
有隣堂書店では2014年10月30日、東京・恵比寿の「アトレ恵比寿店」でスターバックスコーヒーに隣接する形で店舗リニューアルを実施。2015年4月24日には、新宿西口にカフェ・雑貨・書店の複合業態「STORY STORY」を出店している。
松信常務は「カフェを併設することによる書籍の売上への貢献はまだ未知数だ。ただ、従来型の書店では売上が落ちることははっきりしている。書店単独では出せない来店動機を増やすことで、まず、書店に足を運んでもらい、本を買ってもらえる提案が重要になっている。1日300点の新刊がある市場環境で、全ての書籍を紹介することは不可能で、20~30程度しか店頭には並ばない。書籍に対する目利きが重要になる」という。
店舗入口のおすすめ売場では、「再発見!我が街の魅力」コーナーを展開。地元の歴史やグルメスポット、観光スポットを紹介する。新刊やランキングだけでなく、地域に根ざした視点からの書籍提案も重視したいという。
書籍の売上が伸び悩むなかで、文具のほか、雑貨の提案も強化。アクティブシニアに向けた商材として、ミズノのスポーツ用品を展開。
店舗入口の平台には、今治タオルマフラー(ひんやりシート付き)、今治タオルを導入。ラッピングにも対応できるボックス商品でパーソナルギフトでの利用を見込む。
ファミリー層を中心に主婦の利用が多く想定されることから、通販のフェリシモが展開する猫部の期間限定ショップも展開する。雑貨の取り扱いについては、どこまで幅を広げるか模索中で、今後も店舗の商圏ごとに、最適な商材を探していきたいという。
松信常務は「売場面積のうち90m2のスペースに商品を置かない取り組みは、ひとつの挑戦で社内で反対の声もあった。ただ、新しい取り組みが必要なことは間違いない。白旗店を検証した上で、既存店や新店で同様の取り組みを導入するか検討したい」と語った。
店舗概要
所在地:神奈川県藤沢市藤沢2-3-15
トレアージュ白旗2階
交通:小田急江ノ島線「藤沢本町」駅から徒歩5分
TEL:0466-50-7550
営業時間:10時~20時
店舗面積:約540m2
関連カテゴリー
最新ニュース
一覧- ファミマ/「あそべるコンビニ」掲げIP戦略を強化、都内でファミフェス2025開催
- エディオン/30年リフォーム事業売上高1000億円目指す、家電との融合戦略を強化
- 池袋西口/マルイ跡地に複合ビル来年3/14オープン、ビオラル・成城石井ほか出店
- ビックカメラ/池袋マルイ跡地に「IT tower TOKYO店」来年3/14オープン
- アトレ/台湾現地法人が台北駅地下商業施設の運営事業者に決定、食物販など計画
- セブンイレブン/全国378店舗に荷物預かりサービス「エクボクローク」導入
- 大丸松坂屋百貨店/コレド日本橋に「アナザーアドレス」初のリアル店舗オープン
- メルカリ/駿河屋と資本業務提携、エンタメ・ホビー旗艦店を国内外で展開
- 東急ストア/東京都目黒区「大岡山店」12/19リニューアル、デリカ・簡便品強化
- オンデーズ/新宿東口に新旗艦店12/26オープン、スマートロッカー初導入
- アシックス/グランフロント大阪の直営店をリニューアルオープン
- 楽天/日用品や小型家電などを最短当日配送「楽天24エクスプレス」を開始
- ニトリ/全国に「ニトリ」「デコホーム」計6店舗同時オープン
- ゴディバ/新スタイル店舗を今冬2店舗オープン、量り売り商品など導入
- 阪神梅田本店/ずんだスイーツ専門店「ずんだ茶寮」オープン
- コスモス薬品/埼玉・栃木・茨城に「ドラッグコスモス」来年7月新設
- 薬王堂/茨城県北茨城市に「北茨城中郷店」来年7/13新設
- 公取委/下請法違反で電動工具メーカーのマキタに勧告、84社に金型を無償保管
- 加工食品 売上ランキング/ニッスイ「大きな大きな焼きおにぎり」が2カ月連続1位
- 三ッ星靴下/自己破産を申請、負債合計約32億円
- クリスピー・クリーム・ドーナツ/若月社長インタビュー「ドーナツのおいしさ重視、26年100店舗体制へ」
- 日本ショッピングセンター協会/26年新規オープン23施設、東京は6施設
- 日本ショッピングセンター協会/菰田会長「商業施設は量的拡大から質的向上へ」
- KDDI×ローソン/オフィス環境に特化した実験店舗、大阪市にオープン
- 野村不動産、竹中工務店/「福岡天神センタービル建替計画」着工、竣工予定は28年度
- 福岡・門司港レトロ地区/商業施設「AMAZING SPOT」来年7/24オープン
- JR西日本アーバン開発/JR西明石駅南側に商業施設「プリコ西明石 南館」来夏オープン
- 松屋フーズHD/「六厘舎」の松富士を91億円で買収、9ブランド・120店舗を展開
- トライアル/岩手県金ケ崎町「スーパーセンタートライアル金ケ崎店」来年6/24新設
- トライアル/徳島県阿波市「スーパーセンタートライアル阿波土成店」来年5/30新設
- ファミマ/ユーザー参加型企画「わんにゃんお宅訪問 with ちゅ~る」店舗で放映開始
- 大阪王将/神保町に新業態「東京都大阪王将市餃子特区」12/17オープン
- すかいらーくHD/埼玉県2店舗目「ペルティカ 戸田公園店」12/22オープン
- オールウェイズ/東京・調布に「京都 大衆すき焼 北斗 トリエ京王調布店」オープン
- エッグスンシングス/鳥栖プレミアム・アウトレットに新店舗12/17オープン
- 串カツ田中/茨城県つくば市に「トナリエつくば店」オープン
- コメ兵/ダイナースクラブカード会員向けに出張・宅配買取サービス提供開始
- コーナン船橋花輪インター店/千葉県初出店「クレーン横丁 極」来年2月オープン
- ハピネット/東京・浅草にカプセルトイ専門店「gashacoco 浅草」オープン
- クスリのアオキ/岩手県「二戸店」福島県「矢吹新町店」来年6~7月新設

















































