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高島屋/業務改革・新店効果なく、当期利益29.2%減

2008年10月14日 / 決算

高島屋が10月10日に発表した2009年2月期中間決算によると、売上高は4882億1700万円(前期比3.2%減)、営業利益140億8800万円(14.7%減)、経常利益161億8700万円(18.0%減)、当期利益87億8800万円(29.2%減)と減収減益となった。

事業セグメント別の概況では、百貨店事業で従業員の意識改革と業務改革を推進し、販売機会・販売時間の拡大を実施した。商品面ではバイヤーの増強、情報システムの整備を行い、店頭での顧客動向データを活用した分析を進める一方CRMを活用し、買物データに基づいた情報発信や来店促進策に取り組んだ。3月にはJR新横浜駅ビルにタカシマヤ フードメゾン新横浜店をオープンしたほか、6月の東京メトロ副都心線開業で、新宿店の地下鉄連絡口開設・食料品フロアを改装するなど売場野リニューアルを実施した。

だが、景気減退や個人消費低迷の傾向で食料品やその他商品も伸び悩み、国内の百貨店事業売上高は4.0%減となった。シンガポール髙島屋は好調を持続し増収増益となったものの、百貨店売上高は4396億6700万円(3.7%減)となり、営業利益は85億5100万円(26.6%減)と減少した。

このほか建装事業では、髙島屋スペースクリエイツの外部受注活動強化で売上高は前年を上回った。反面、弾力的な要員配置などで人件費や業務委託費の削減に取り組んだものの、営業利益は前年を下回り、売上高は114億2600万円(3.9%増)、営業利益は2億9000万円(44.0%減)に終わった。不動産業は、東神開発が昨年開業した「流山おおたかの森ショッピングセンター」(千葉県流山市)や「なんばパークス」内の専門店ゾーン「T-terrace(T-テラス)」(大阪市)の売上増、テナントの入れ替えを行った「柏ステーションモール」(柏市)の売上好調により賃料収入が増加し増収増益。売上高は147億4200万円(4.5%増)、営業利益は38億3200万円(2.7%増)と好調。金融業は、髙島屋クレジットが発行したタカシマヤカード ゴールドの会員数が増加し取扱高が伸長。カードのプロセシング経費増加をカバーし、売上高51億9800万円(23.0%増)、営業利益9億400万円(294.4%増)と躍進した。その他事業に含まれる、通信販売事業はインターネット受注が引き続き増加したが、主力のカタログ受注が不振で売上高は171億8300万円(7.3%減)、営業利益5億2900万円(35.7%減)に終わった。

通期は主力の百貨店事業で顧客の視点に立ったサービス・店舗環境の向上、商品調達力の強化などに努める。また顧客との関係性強化による「最強の販売体制」の実現に向けた改革努力を継続。通期業績は売上高1兆257億円(1.6%減)、営業利益は340億万円(9.8%減)、経常利益は378億円(10.2%減)、経常利益378億万円(10.2%減)、当期利益は199億万円(6.4%増)をそれぞれ見込んでいる。

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