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ウォルマート/グローバル・サプライチェーンで温室効果ガス2000万トン削減

2010年02月26日 / 海外経営

ウォルマート・ストアーズ・インクは2月25日、同社のグローバル・サプライチェーン全体から排出される温室効果ガス(GHG)を2015年末までに2000万トン削減する目標を発表した。

これは、今後5年間に見込まれるウォルマートの二酸化炭素排出量増加分の1.5倍に相当し、380万台以上の車輌の年間排出量を削減することと同程度の効果となる。

ウォルマートのグローバル・サプライチェーン全体でみた場合の二酸化炭素排出量は、同社が自らじかに排出している量の何倍もの規模にのぼるため、サプライチェーン全体で排出量削減に取り組むことで、二酸化炭素排出量削減の取り組みが更に大きく加速することが期待できる。

今回の温室効果ガスの削減に向けた革新的なプログラムは、主に3つの要素で構成している。

■選定
ウォルマートは、ライフサイクル中で発生する二酸化炭素の量が最も多い商品カテゴリーに焦点を当てた取り組みを計画している。

これは、商品1個あたりのライフサイクルを通じて排出される温室効果ガスの量に、同社の販売数量を乗じて算出。商品が排出する二酸化炭素の量を把握するために、アプライド・サステナビリティ・センターは、ウォルマートの全ての商品カテゴリーで、温室効果ガス排出量を調査した。

これにより、排出量の削減効果が最も大きいカテゴリーに焦点を当てた取り組みが可能になります。なお、排出削減は、商品のライフサイクル上のあらゆる段階で実施される可能性がある。

■行動
プロジェクトによる削減が、目標である2,000万トンの削減の一部としてカウントされるためには、「商品の原料調達」、「製造、輸送」、「お客様による使用」、「使用後の廃棄」のいずれかの段階で排出される温室効果ガスを削減するものとする。ウォルマートは、排出量の削減に直接影響を及ぼしていることを実証し、ウォルマートの関与なしにはその削減が実現できなかったことを示す必要がある。

■評価
達成された削減は、サプライヤーとウォルマートの共同の実績とし、クリアカーボン社は、報告された削減実績について、その削減方法や完成度合、計算方法の正確性を検査する。

さらに、プライス・ウォーターハウス・クーパースがコンサルティング基準に即して、排出削減実績が所定の手順に基づき一貫した方法で数値化されていることを査定・評価する。

マイク・デュークCEOは、「今回発表した二酸化炭素削減の取り組みも、お客様の利益につながっていく。扱う商品のライフサイクルの中で排出される二酸化炭素を削減することは、エネルギー消費量の削減を意味し、エネルギー効率の向上であり、そして、エネルギー・コストが上昇する昨今においては、コスト低減を通じて、わが社のビジネスの強化、競争力の向上につながる。サプライヤーのエネルギー消費量やエネルギー・コスト、二酸化炭素排出量の削減に貢献することで、当社は、結果的にお客様にも同様のサポートを提供することになる」と語っている。

ウォルマートでは、サプライチェーンを世界規模で把握するアプローチを構築するにあたり、エンバイロンメンタル・ディフェンス・ファンドと提携を結んだ。

他にも、社外アドバイザーとして、プライス・ウォーターハウス・クーパース、クリアカーボン社、カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト、アーカンソー大学のアプライド・サステナビリティ・センターなどが参加している。

こうしたメンバーで構成されるチームが、具体的なプロジェクトの選定、排出削減量の数値化、協力サプライヤーの募集などにあたると共に、各プロジェクトでの温室効果ガス削減量の算定・報告方法の適切性についての検証・確認を行う。

■ウォルマートの温室効果ガス削減プログラムの詳細(英文)
http://www.walmartstores.com/greenhousegas

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