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ベスト電器/会長・社長退任、さくらや清算

2010年01月12日 / 経営

ベスト電器は1月12日、業績が低下していることを踏まえ事業再構築計画を策定した。合わせて、有薗憲一会長と濱田孝社長は代表取締役を同日付で退任し、新社長には深澤政和副会長が就任する。

ベスト電器では、自社の業績悪化要因を昨年の不正郵便問題による顧客からの信用力の低下、業界他社比での営業損益の回復の遅延などとしており、今期は2期連続の営業赤字となる見込み。このほか、店舗戦略や競合戦略の導入の遅れ、連結子会社のさくらやの業績回復の遅れなども要因として認識している。

このため、まず経営責任を明確化し、金融機関との交渉窓口を務めていた深澤副会長を社長に据え、計画を着実に実行することで経営責任を履行する。並行して迅速な意思決定体制の確立、責任の明確化、組織のスリム化などのため、2011年2月期には取締役数の大幅削減、執行役員制度の見直しを検討する。また社外有識者によるアドバイザリーボードの設置も検討する。

事業再構築計画では「お客様、お取引先、株主、取引金融機関のステーク・ホルダーからの信頼回復」、 「お客様に提供できる当社独自の付加価値を増やし、競争力を高める」などの経営目標を採用。

具体的な施策として個店毎の収益性・キャッシュフローの業績改善可能性を総合的に勘案し、閉鎖店舗決定する。2012年2月期までの期間に全国で50~70店舗を閉鎖する予定で、2012年2月期において営業利益で18~23億円程度、EBITDA(税引前利益に、特別損益、支払利息、減価償却費を加算したもの)で13~18億円程度の改善(2010年2月期対比)を目指す。

さらに人事組織を見直し、効率的な費用構造と従業員のインセンティブ向上を目指す。能力成果主義に基づく新人事制度の導入、本部組織のスリム化など効率的な組織体制の導入を検討し、人事組織の見直しで2012年2月期には営業利益で10~15億円程度、EBITDAで10~15億円程度の改善を目指す。

撤退店舗の不動産とノンコア資産の売却により、有利子負債を圧縮して財務基盤を健全化し、2011年2月期から1年間で、簿価ベースで約50~60億円程度の撤退店舗、ノンコア資産を売却する。これで10-15億円程度の売却収入が見込まれている。

このほか、現時点で再建の目処が立たないとして、今期中のさくらや事業の撤退と清算を決定した。さくらやの清算で、2011年2月期は営業利益が20~25億円程度、EBITDAが18~23億円程度改善する見込み。

金融面では取引金融機関9行によるリファイナンス目的の総額300億円程度のシンジケート・ローン組成が既に完了しており、業務資本提携先のビックカメラからも協働体制を強化していく。

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