大丸松坂屋百貨店／元従業員が2億8000万円の不正行為

2012年02月16日／経営

J.フロントリテイリングは2月16日、子会社の大丸松坂屋百貨店の元従業員が、お得意様営業担当という立場を利用し、不正行為を行っていたと発表した。

社内調査を行ない同日、愛知県警察本部に元従業員（2月14日付で懲戒解雇）を刑事告訴した。

大丸松坂屋百貨店の松坂屋名古屋店お得意様営業部に所属していた元従業員が、2003年11月頃から、自らの売上実績を装うため、複数のお客に架空売上を計上し、他のお客からの集金代金を流用するなどにより売掛金に充当した。

2004年8月頃から、自ら充当する現金を得るため、架空売上を計上した商品の一部を横領・転売した。

架空売上の一部は、支払い方法が銀行口座自動振替である得意先口座に計上し、複数のお客の銀行口座から架空請求の金額を不正に引き落としたが、請求書を破棄するなどの方法で発覚を免れていた。

現在、架空売上を計上したお客にはお詫びをし、銀行口座から不正に引き落とした金額合計約2億8000万円は、2月15日までに全額を返金した。

2011年9月、元従業員が担当していたお客から、利用額と銀行口座引落額について不審な点があるとの問い合わせがあったため、元従業員の直属上司と所属部長が調査・対応していた。

元従業員は、巧妙に取り繕って偽装・隠蔽したが、調査を進めた結果、12月上旬になって不正を行っていたと判断するに至った。

これをきっかけに、元従業員が担当した得意先口座についても調査したところ、不正を行っていたことが判明。

2012年2月期連結決算で、特別損失に約2億8000万円を計上する見込みだが、通期連結業績予想の修正はないという。

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