流通ニュースは、流通全般の最新ニュースを発信しています。





ZARA/顧客起点の商品づくりがビジネスモデルの根幹

2012年09月05日 / 経営

世界最大のアパレルグループInditexは9月5日、明日リニューアルオープンするZARA銀座の開店に先駆け、同社のビジネスモデルを解説した。

<Jesusu EchevarriaCCO>

広報責任者のJesusu EchevarriaCCOは、「当社は、ファストファッションではない。既存のビジネスモデルが2シーズンでデザインから始まるのに対して、当社は顧客起点の商品開発を常に行い、3週間ごとに全アイテムをリニューアルする」と解説を始めた。

<ビジネスモデルのイメージ図>

ハーバードビジネススクールで語られるInditex社のビジネスモデル分析を用いたプレゼンテーションで、「店舗で顧客の声や販売動向を集約し、それをデザインに反映し、小ロットで生産した商品を店舗に短時間で納品するサイクルが成功の秘訣だ」という。

<顧客志向のイメージ図>

2週間ごとに店舗には新しい商品が納品される仕組みで、短期間での納品を可能にするために、商品の51%は主力市場であるヨーロッパで生産し、残り49%をその他の地域で生産している。

Echevarria氏は、「何が売れていないのか。お客が気に入らないのは何か。デザイナーは常に何がマッチしなかったのかを理解している。どの店舗でも毎日、新しいことが起きていて、トレンドは明確にはわからないが、トレンドを追い続けている」という。

「生産ロットが小さく同じ服は作り続けない。特定の服ではなく、トレンドを追いかけ、トレンドを受け新しい服を作り続ける。まさにお客様あってのビジネスモデルで、お客様がこのモデルのエンジンだ」と語った。

<物流の解説>

また、「店舗からの発注は2時間以内に本社で集約し、8時間後にはピッキングが完了し、スペインの物流センターから、最大でも世界中のどの店舗でも48時間で商品を届けることができる」と独自の物流システムについても解説した。

Inditex社は、1960年代にメーカーとして創業し、1975年に1号店を開店、1979年に5店舗体制となり、1988年ポルトガルに進出し海外進出を始めた。1989年にニューヨーク、1990年パリに出店、海外進出を本格化し、現在、世界で5800店舗を展開している。

関連記事

関連カテゴリー

最新ニュース

一覧