ローソン×KDDI/高輪ゲートウェイシティに未来型コンビニをオープン
2025年06月23日 15:29 / 店舗レポート
KDDIとローソンは6月23日、高輪ゲートウェイシティTHE LINKPILLAR NORTH6階にリアルとテクノロジーを掛け合わせた未来型コンビニ「ローソン高輪ゲートウェイシティ店」(東京都港区)をオープンした。
同店はKDDIが直接運営する実験店舗となる。AIサイネージ、遠隔接客プラットフォームを導入。清掃・飲料陳列・自動調理など各作業にロボットを活用している。DXによる顧客体験の向上と生産性アップなど課題解決を両立させる。
サイネージでは商品リコメンド、キャンペーン情報、「からあげクン」の揚げたて情報による空間演出、風景などの環境情報を流し、日販の向上につなげたい考え。
同店で成功した事例を日本全国のローソン、将来的には海外店舗にも横展開する計画だ。
竹増貞信社長は「リアルとテクノロジーを掛け合わせて、新しいコンビニを提案する。KDDIのつなぐ力を借りて、データ分析などによる顧客体験の向上とともに、オペレーション側も生産性をぐっと上げる。当社は店舗オペレーションを2030年度には30%削減する方針だが、売り上げも30%上げ、60%の効果を出したい。実験で集めたデータをしっかり管理して、生産性を上げて削減した時間を付加価値の高い業務に利用できるようにしていく」と意気込みを語った。
店舗では、サイネージを活用し、ECのようにキャンペーン、レコメンド、商品詳細などをタイムリーに提供する。
AIカメラでとらえた顧客の行動に合わせて、商品を提案。プライスレールをタッチすると商品の詳細情報を表示したり、でき立て商品を告知したりする。AIカメラは14台設置している。
高輪の街の情報を利用し、天気・電車遅延・混雑情報を提供する。ビル内にいながら、街の情報をリアルタイムで把握できる。広告収入を得るとともに、さまざまな演出による心地よい店づくりを行う。
また、遠隔接客サービス「Ponta よろず相談所」も設置。オンライン診療・服薬指導、金融、くらしの相談、スマホの新規契約といった通信関連の相談をコンビニ内で受けられる。
AVITA提供のアバター接客「AVACOM」を活用し、会話しながら最適なサービスを案内することもできるという。
ジェミニを搭載した「AI Ponta」も登場。ぬいぐるみと会話しているような演出で、店舗や街の情報を提供する。
店舗運営面では、定量データをもとに、店舗運営をサポートするAIエージェントをローソン初導入する。ロボットの運用データ、店内の防犯カメラなどからAIエージェントが業務量を算出・分析し、業務効率化をサポートする。
例えばAIが、清掃の状態といった店舗の課題を抽出。改善のためのシフトの見直しなど解決策も提案する。
そのほか、飲料陳列ロボ、からあげクンの自動調理ロボ、自動掃除ロボを利用し、店舗スタッフの作業負担を低減する計画。
なお、KDDIは本社を高輪ゲートウェイシティに移転している。7月には新本社内にもローソン(社員専用)を開店し、6階の店舗(一般の生活者も利用可能)と共にさまざまなリテールテック機能を導入。社員専用店舗のため、テクノロジーの適用範囲を広げ、さまざま実験を行う予定だ。
■ローソン高輪ゲートウェイシティ店
所在地:東京都港区高輪2-21-21 THE LINKPILLAR1 NORTH 6階
営業時間:7時~21時
取材・執筆 鹿野島智子
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