三越伊勢丹ホールディングスは3月6日、伊勢丹新宿本店をリニューアルオープンした。昨年6月から進めてきた35年ぶりの全館改装が完成するもの。初年度売上目標は2011年度対比5%増の2150億円。
<大西洋社長>
三越伊勢丹ホールディングスの大西洋社長は「ファッションとアートという形の見えるものと形のみえないものの融合を目指す難易度の高い店づくりだった。お客さまの価値観が多様化する中で、見えない価値を付加し、成長し続ける店を目指した。日本一、世界一を目指し、さらに進化し続ける店を目指す」と挨拶した。
<4階イーストパーク、大人のキャンパススタイル>
改装のコンセプトは「世界最高のファッションミュージアム」で、今回は本館1階婦人雑貨、2階婦人服(トレンド)、婦人靴、3階婦人服(モード)、4階婦人服(ラグジュアリー)の4フロアを改装した。
<地下2階ビューティアポセカリーのパーク>
改装にあたり、新たにプロモーションスペース「パーク」を設置。館内を巡るエスカレーター周りを中心に21か所の展示スペースを設けた。伊勢丹新宿本店の中陽次店長は「ミュージアムには、過去、現在の逸品のほか、未来を感じる作品がある。新宿店は、コモディティやトレンドといった従来の商品に加え、人によって評価の分かれるモード商品に挑戦した。モードマーケットに挑戦している点が他の百貨店との決定的な違いだ」と語った。
中店長は、「モード商品は、評価が定まっていない商品で、売れるかどうか分からないが、いち早く伊勢丹が評価し、世の中のトレンドとして情報発信し、感度の高い人へ提案することが必要だ。モード商品はパークを中心に、積極的に打ち出しをする」という。改装で、従来1割程度のモード商品の比率を2割まで高めた。既存のコモディティ、トレンド商品と組み合わせることで、幅広い客層を取り込む戦略だ。
<3階キャリアスタイルのアートフレーム>
パークでは、デザイナーやアーティストの持ち込み企画も実施。フロアを訪れるお客との親和性があれば、可能な限り多様な企画に挑戦する。企画の実施期間は1~2週間、1か月間などさまざまだが、新宿店全体で年間1500~2000の企画を提案する予定だ。
<地下2階ビューティアポセカリー>
<地下2階のセミナーコーナー>
地下2階は、昨年9月に先行オープンしたフロアで、女性を内外から美しく健康にするフロアとしてリモデルした。ケアと予防をトータルに提案する女性のライフサポートビューティーフロアを目指し、パークには書籍とイベントコーナーを設置。ハンド&ネイルケアセミナーなども実施する。
<1階アクセサリー売場>
<ザ・ステージのGUCCI>
1階は、アクセサリーを強化し、国内外から25の新規ブランドを集積した。ザ・ステージと名付けたコーナーでは商品の実演も実施。3月6日~12日は、GUCCIの職人による実演販売を実施する。
<1階ヘアケアゾーン>
そのほか、ヘアケアゾーンを新たに設置し、ヘア・トレンドにまつわる最新情報の発信や、似合う・なりたいスタイルを知るアドバイス、髪の悩みへの効果的なケアアイテムの提案などを実施するという。
<2階婦人靴売場>
<靴のフィッティング>
2階には婦人靴売場を設置。ストレスフリーで、お客の要望するファッションと足元の美と健康を手に入れてもらうことをコンセプトとした。モデレートからプレステージまで約150ブランド、4500足を取り揃えた。
<イセタンガール>
<TOKYOクローゼット内のマークBYマークジェイコブス>
<アーバンクローゼットのディスプレイ>
2階は婦人服のトレンドを訴求するフロアで、自主編集売場を中心とした「イセタンガール」「グローバルクローゼット」「アーバンクローゼット」「TOKYOクローゼット」を設置した。
<雑誌SPURとコラボした写真撮影コーナー>
センターパークには6日~12日、雑誌SPURとコラボレーションしたイベントコーナーを設置した。シカゴのプレミアムポップコーンのギャレットポップコーンの販売や、ガチャガチャなどミニアトラクションも設置した。
<3階リ・スタイルコーナー>
<3階リ・スタイルスポーツ>
3階は婦人服のモードを集めた。自主編集売場のリ・スタイルでは、最先端のモードから、スポーツ、ギフト、プロモーションまで、世界の最新・最旬スタイルの提案をコンセプトに、150以上のブランドから編集し、独自性を加えて提案するという。
<3階キャリアスタイル売場>
<3階キャリアスタイルのディスプレイ>
また、キャリアスタイルコーナーを設置し、アクティブなワーキングウーマンに向けた、感度の高いファッションとサイズを取りそろえた。ブランドごとの垣根をなくし、自由に商品を選べる環境とした。
最大7~19号までの幅広いサイズにくわえ、身長の高い人に向けては13号のトールサイズを用意し、合計8サイズをそろえた。
<4階コンテンポラリースタイル>
<4階オーセンティックスタイル>
4階はラグジュアリーの婦人服を訴求。大人の女性のためのリアルクローズをテーマに、コンテンポラリースタイルゾーンやオーセンティックスタイルゾーンを設けた。
大西社長は「景気が不透明な時に、これだけの投資をするのか議論があったが、自ら景気に左右されない店を作る必要性があると判断して改装を実施した」と語る。
中店長は「リーマンショックで、新しい提案力が弱くなっていた。リーマンショックで、新宿店は新しい提案をし続けなければならない店舗であり、提案がなければお客が離れることを学んだ。モード商品を含め、提案力をもう一度、強化する」と改装への抱負を述べた。
再開発概要
対象フロア:本館4階、3階、2階、1階、B2階
工事面積:約25000㎡
投資額:90億円
初年度売上目標:2150億円
<オープニングには、写真家の篠山紀信氏らが参加した>
<開店客を出迎える大西社長と中店長>
<1933年の開店時に復元した正面玄関>
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