マルハニチロ/アクリフーズの農薬混入事件で第三者検証委員会が中間報告
2014年04月30日 / 経営
マルハニチロは4月30日、アクリフーズでの農薬混入事件に関する第三者検証委員会による中間報告を発表した。
委員会では、事件に対するマルハニチログループとしての対応について、マルハニチログループの組織が巨大で複雑であるため、責任の所在が明らかでなく、情報の共有化も不十分で、意思決定と実行に大きな支障が出たことは問題だったと分析した。
原因が故意、事故に関わらず、健康に関する危害には迅速な対応が必要であるがそのスピードが非常に遅く、特にその背景として、健康への影響を過小評価したことは致命的な問題で、この点が自ら是正されなかったことも極めて根が深い問題として、マルハニチログループの危機管理対応には大きな不備があった。
有機溶媒や高濃度農薬の混入が判明してから事件の公表や回収開始、行政への報告までに時間がかかった。
特に最初の農薬混入の報告から発表まで、2日以上かかったことは問題と指摘した。
最初の苦情が来てから、これが有害な事象であることを認識するまでに1か月半かかった。
特に組織間の危機意識の共有の失敗などにより原因究明のための外部検査の実施決定が遅れたことが問題。
従業員によると思われる農薬混入を未然に防げなかった点については、給料の減少や新人事評価システムへの従業員の不満の把握や、それを和らげるための施策も打たなかった。
食品防御体制も不備が多く、容易に農薬の混入が可能だったことも問題としている。
食品提供者としての消費者への責任感の不足による商品回収の対応の失敗について、当初、消費者に回収対象商品名を正確に伝えなかった。
年末最終営業日に回収の必要性が判明しているにも関わらず休みに入ってから対応したために、広報や必要な問い合わせ電話の設置等対応に時間がかかった。
また不正確な数字を根拠に回収率を情報提供したのは適切ではなかった。
同委員会が、中間報告の議論の範囲による総括では、今回の事件は通常の食中毒事件ではなく、食品メーカーの従業員が急性中毒症状を起こしうる高濃度の農薬をその商品に故意に混入したとされるもので、極めて特殊な事件。
しかし、急性中毒の危険性がある場合は、原因に関わらず危機管理対応が必要で、食品を扱う組織では、被害拡大阻止のため初動体制の確保と準備が重要とした。
内部者による異物混入を未然に防ぐための手立てを確立する必要があり、ガバナンスの強化と食品防御の考え方の導入が重要。
消費者重視の視点が何より重要であり、食品提供者として、消費者への責任を果たすべきであると指摘。
この考え方をもとに、今後、最終報告に向けて、マルハニチロへの提言や、同様の事件を未然に防いでいくための社会への提言を取りまとめるとしている。
■アクリフーズ「農薬混入事件に関する第三者検証委員会」中間報告
http://file.tdx.co.jp/news/140430_chuukanhoukoku_fullfull.pdf
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