「7年ぶりに行田市へ出店、既存店とドミナント強化」
ベルク行田城西店
ベルクは9月11日、埼玉県行田市に同社として65店舗目となる「行田城西店」を開店した。行田市内には、1988年に6号店「行田長野店」、2003年に30号店「行田南店」を開店しており、行田市内で3店舗目の出店となった。
建物と内装などで約5億円程度を投資、土地も自社で取得しているが土地取得額は非公表。年商目標は13億円。原島功社長は「土地を取得したことで賃料コストを削減。店舗の固定費を削減することで、販売管理費を低減しているため、13億円の年商でも十分に投資回収ができる」という。
すでに知名度の高い地域での出店であり隣接する熊谷市からの来客も見込めるため、年商目標は十分に達成できる商圏といえそうだ。
元々は、忠実屋が大型総合スーパー(GMS)として「忠実屋フランツ」を開店、1994年にダイエーが忠実屋を吸収合併したのを機に「ダイエー」が多層階のGMSを展開していたが、約5年前に閉店した立地でもある。
同社の2010年2月期決算は、売上高が1024億9400万円(3.3%増)と1000億円の大台を超え、営業利益は43億9300万円(6.3%増)で売上高総利益率は4.3%と食品スーパーとしては高い利益率を維持している。高い収益性の源泉は徹底した店舗の標準化にある。
ベルク行田城西店レイアウト
(※図をクリックすると拡大します。)
同社は600坪を一つの標準と捉え、店舗レイアウトもほぼ共通化する。行田城西店も売場面積は603坪。店舗レイアウトを共通化することでバックヤードから店頭までの搬入距離を標準化し、作業効率の標準化を狙っている。
店舗レイアウトが同じであれば店長が転勤しても店舗運営をスムーズに引き継ぐことができるというメリットもある。
店舗運営面では独自の部門別運営を採用。惣菜部門が和日配を管理、グロサリー部門が洋日配を管理、精肉部門が冷凍食品を管理するなど他のチェーンとは異なる部門横断的な売場管理で、社員1人あたりが管理する売場面積を拡大している。
同社の標準的な人時売上高は1万8000円。新店ではパート・アルバイトの業務の習熟度の課題があり、1万5000円程度というが、1年程度で全社平均値を達成できるという。
人時売上高の向上のため、グロサリーや日配食品を中心に稼動式什器を採用し、商品陳列の効率を高めている。
グロサリー什器最下段に設置される可動式什器
平均的な部門別の売上構成比は、青果14%、鮮魚10%、冷凍食品を含む精肉10%、和日配を含む惣菜16%で約50%が生鮮部門となっている。
残りの約50%は、酒7%程度などグロサリー部門で、日用雑貨の売上も4%程度を確保している。
和日配を含むが惣菜部門の売上構成比が高く、米飯類の弁当にも注力している。3年ほど前に管理栄養士を採用し、1年かけて自社の惣菜類のカロリーを計算、2年ほど前からすべての弁当・寿司にはカロリー表示をしているという。
カロリー表示を採用している弁当売場
商品供給は、埼玉県大里郡寄居町にある同社の専用物流センターを活用。開店前に生鮮日配品を中心とした1便・2便、昼にグロサリーを中心とした3便、午後にフレッシュ便といわれる4便の体制を導入している。
物流センターから店舗までの配送時間は約1時間で、今後も物流センターから1時間程度の地域に出店する計画だ。
昇降機を設置し納品効率を高めている商品搬入口
競合店としては、1km圏内にあるベイシアフードセンター行田店(売場面積1666坪、駐車台数1492台)、2km圏内にあるエコス行田店(553坪、137台)、Yバリュー行田店(315坪、134台)がある。
ただ、2km圏内にはベルク行田南店(611坪、187台)、3km圏内にはベルク行田長野店(697坪、330台)があり、自社競合もありえる。
そのため、商圏設定は店舗を中心とした単純な等距離の円系ではなく、競合店が少ない店舗北東を中心商圏とした設定としている。大島孝之常務取締役販売運営部長は「私が初代の店長を勤めた行田長野店のアルバイトだった方が、今日はお客さんで来店された。
当時は女子高校生だった方が、いまはお子さんを連れられている。ベルクの認知度が高い地域だけに既存の2店舗と強固なドミナントを形成したい」と語った。
ベルク行田城西店地図
店舗概要
住所:埼玉県行田市城西4-4-1、交通手段:秩父鉄道「持田駅」徒歩5分
電話:048-550-1300
店長名:高山 登
営業時間:9時~24時
敷地面積:約1万㎡、建物敷地:約7900㎡、駐車台数:168台
延床面積:約2800㎡、売場面積:約2000㎡、後方面積:約800㎡
年商目標:13億円、レジ台数8台
従業員数:社員13人、パート・アルバイト58人(頭数)
商圏設定:1次商圏2800世帯、2次商圏2500世帯、3次商圏1万1500世帯、合計1万6800世帯
テナント:ベーカリーショップ・マルセリーノ(伊藤パン)、クリーニング、ATM
部門別取扱品目:
青果350、鮮魚346、精肉260、冷凍食品170
惣菜・和日配650、菓子・洋日配1300、一般食品2750、
酒840、日用雑貨2800
■ビジュアル店舗紹介
果物の平台からはじまる店舗入口
青果の平台側面にも商品を陳列、坪効率を高める
話題の食べるラー油を集合陳列
平台後方は100円均一のトップバリュコーナー
鮮魚は丸物バラ販売も導入、調理サービスも実施
精肉部門の簡便調理コーナーでは生ギョーザを量目別に販売
ホルモン商材に加え、炒め物、鍋物に使える白モツを大量陳列
売上構成比1.4%の卵は、しょうゆ、レトルトカレー、牛丼の素を関連販売
ナチュラルチーズは棚板を1枚外し、空間を活かした陳列
映画「書道ガールズ」に出演した埼玉県立松山女子高校がデザインした豆腐
フライバラ販売では、トレー以外の包装資材を使用し環境に配慮
利益確保の難しいインストアベーカリーにはテナントを導入
酒類売場では伸張するノンアルコール飲料を試飲販売
中通路も十分な幅をとりゴンドラエンドでの大量陳列を徹底
洋日配の冷蔵ケースでも可動式の棚を多用、作業効率を改善
牛乳・チルド飲料は納品クレートのまま陳列、一部ジャンブル陳列も採用
エンド陳列上部の天井にはスポットライトを設置、視認率の向上狙う
ビールのケース販売には小型キャリーを使用、補充作業を軽減
環境への配慮から、レジ袋不要の場合は2円引きとなる
店舗前面の壁面にペットボトル、トレーなどのリサイクルボックスを設置
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