ベイシア/古河総和店
2010年10月03日 / 店舗リポート
「1次商圏5kmで、自社商圏の空白地区に出店」
<ベイシアスーパーセンター古河総和店>
ベイシアは9月21日、茨城県古河市に「ベイシアスーパーセンター古河総和店」を開店した。1次商圏は5kmを想定、5万7000世帯、人口18万人の商圏を主力業態であるスーパーセンター(Su.C)で狙う。
同店の開店でSu.C業態は38店舗となり、Su.Cよりも小型のフードセンターやGMSなどの大型店舗を加えると100店舗目という出店となった。なお、小型SM業態である「ベイシアマート」は20店舗を展開するが売上規模が小さいため、20店舗を1店舗と数えた。
県境に立地するため、商圏には茨城県の古河市と境町の一部、栃木県小山市、栃木市、野木町の一部、群馬県板倉町の一部、埼玉県加須市の一部が含まれる。
競合としては1.4kmにカスミフードマーケット古河店、1.7kmにマルヤ総和店、2kmに古河サティ、3kmにイトーヨーカドー古河店がある。
<ベイシア古河総和店地図>
自社店舗としては、北にフードセンター結城店(茨城県結城市)、下館店(茨城県筑西市)、南にフードセンター大利根店(埼玉県加須市)、ベイシア栗橋店(埼玉県久喜市)があるが、5km圏では自社競合はなく、北と南に挟まれた空白商圏といえる立地への出店となった。
<ベイシア古河総和店レイアウト>(※図をクリックすると拡大します。)
Su.Cは衣食住をワンフロアの店舗で扱うがのが特徴で、低価格とワンストップショッピングを強みとしている。同店では、衣料品5300品目、食品1万1000品目、住居用品2万3000品目の約4万品目を取り扱い、価格と品揃えの豊富さで広域商圏からの集客を図っている。
<衣料品売場から見たレジ前主通路>
直営部門の年商目標は38億円で、売上構成比は衣料品が13.1%、食品が68.0%、住居用品が18.9%。
ベイシアの標準店よりも衣料品の売上構成比が高い目標となっているが、「ワンストップショッピングの総合スーパーを標榜する以上、食品依存型の収益構造には課題がある。競合のイトーヨーカドーも衣料品はかなりの売上があり、当社の衣料品の売上構成比を上げて行きたい」(同社)としている。
<吸湿発熱素材を使用したPB肌着ウォームモイスト>
衣料品の強化策として、衣料品でもPB開発を積極的に展開する。吸湿発熱素材を使用したインナー「ウォームモイスト」をレディス、メンズ、キッズで開発。
デニムパンツも970円の価格帯で展開している。直近の衣食住すべてのPBのアイテム数は約1000品目で、売上構成比は約10%、中期的には20%程度までPB構成比を高めていく計画だ。
<国産PBの見つけた!日本の良いものBuy NIPPON!>
低価格対応に加え、国産素材と国内工場での生産にこだわった「見つけた!日本の良いものBuy NIPPON!」を開発。第1弾は京都の西陣織で作ったネクタイを1980円で投入した。
商品開発にたずさわった柳沢敬衣料事業部長は「長引く不況で百貨店の不振が続き、百貨店向けの製造ラインに余裕が出ている。中国では人件費の高騰もあり、国内工場で価格のわりに品質の高い商品を作る環境が整いつつある」と語る。
第2弾として、ベイシアの地元である群馬県の桐生織を使用したマフラーを発売する計画だ。「衣料品は輸入品に押されて国内産地の空洞化が進んでいるが、女子高生でも買えるような価格帯の商品を開発し、若年層が国産の衣料品を知るきっかけとしたい」という。
<日めくり式の価格表示を導入したPOP>
Su.Cの特徴である低価格を実現するため、什器備品の見直しも進めている。古河総和店からは、日めくり式のPOPを本格導入した。
これまでは、商品名と価格を1枚のPOPで表示していたが、価格表示だけのPOPとすることでバックヤードに戻ることなく売場で表示価格を変更することができる。
<独自開発したリーチインクーラー>
光熱費の削減を目指して冷凍食品ではリーチインクーラーを導入する。左手で扉を開け、右手で商品を取ることを想定して右開きの扉として、扉を開ける重さも考慮して独自のリーチインクーラーを開発したという。
商品を目立たせるため、棚板は通常の白ではなく黒に変更、光の反射を防ぐ観点からLEDではなく蛍光灯の照明を採用した。
同社はエブリデー・ロープライス(EDLP)での販売を最終目標とし、新たな販売促進策として2009年12月から携帯やパソコンのメール会員を募集し、会員数は6000人となっている。
キャンペーンや新製品やイベント情報を配信しているが、まだ実験的な取り組みで現状ではメールよりもチラシを見るお客が多い。そのため、水曜日から月曜日までの通しチラシを週1回投入している。
<主通路ゴンドラエンド脇で「家計うれしい値!宣言」を展開>
主通路を囲む生鮮3品と惣菜からグロサリーのゴンドラ内へお客を引き込む工夫として、ゴンドラの端には、「家計うれしい値!宣言」と名づけたEDLP商品を集合陳列することで、ゴンドラ内への立ち寄り率の向上を狙っている。
今後、既存の出店エリアの福島から滋賀の間での出店を計画するが、Su.Cが主力フォーマットであることにかわりはない。ただ、既存の商圏の強化するためにSu.Cよりも小型の新店舗フォーマットの700坪型SSMを11月に群馬県伊勢崎市に出店する予定だ。
先行するSMフォーマットのベイシアマートとあわせて、多業態で商圏占有率を高めるという。
店舗概要
所在地:茨城県古河市大堤682
来店手段:JR東北線古河駅下車徒歩22分
TEL:0280-30-1533
建物構造:鉄骨造1階建
敷地面積:3万7187㎡、延床面積:9982㎡
売場面積:7220㎡(衣料品535坪、食品788坪、住居671坪)
駐車台数:526台
営業時間:10時~20時
店長:青柳政晴
従業員数:220人(正社員19人、専任1人、パート137人、アルバイト63人)
売上計画:40億円(直営38億円、テナント2億円)
レジ台数:集中レジ16台、衣料2台、住居2台
テナント:お茶屋、洋菓子、クリーニング、歯科医院、フードコート、ATM
商圏:1次商圏5km、5万7000世帯、人口18万人
取扱品目数:衣料品5300(売上構成比13.1%)、食品1万1000(68.0%)、住居用品2万3000(18.9%)
■ビジュアル店舗紹介
<売上高の68%を担う食品売場の入口>
<生鮮食品では食べごろの見分け方など商品知識のPOPを多用する>
<坪効率向上のため、青果平台下にドライフルーツなどを展開>
<鮮魚の切り身コーナーでは住居用品の電子レンジ調理パックを関連販売する>
<サンマは丸物、頭取り、2つ切り、開きなど多品目で展開、料理用途に対応する>
<国産牛ではパックを立てて陳列することで少ない陳列量でボリューム感を演出>
<購入頻度が高い商品群では積極的にPBを投入し、EDLPを打ち出す>
<低価格だけでなく、おでんでは地域商材などこだわり商材も品揃えする>
<食品売場の奥の隅に買上頻度の高い牛乳を陳列し、店内の回遊性を高める>
<消費期限を時間帯でチェックできるシステムを導入し鮮度管理を強化する>
<日配のナンとグロサリーのカレーを集合陳列し、部門を越えた売場作りをする>
<補充頻度が高いカップラーメンでは棚上在庫を採用し商品補充作業を軽減する>
<地元の米菓を品揃えし地域対応の商品も積極的に導入する>
<PBワインは外部ベンダーを活用、新規導入の仏産レ・コンフレーリは丸紅が輸入>
<食品売場と住居用品売場のは特売商品の催事で連結する>
<食品売場最後の住居用品との境目に、1本19円の500mlペット天然水を大量陳列>
<住居用品売場では伸張カテゴリーとして靴売場の面積を増やしている>
<Su.Cであっても集中レジ以外に住居、衣料で専用レジを配置する>
<価格競争が続くジーンズでは970円のPBを導入>
<機能性肌着では商品見本を随所に展開し手触りを確かめれらる工夫をする>
<Su.Cの品揃えとして障子紙などのDIY商品も取り扱いニッチなニーズに対応>
<キッチンペーパーなどかさばる商品はエンドとゴンドラを活用し陳列量を確保>
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