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矢野経済/「パン・めん類市場に関する調査結果」公表、市場規模0.8%増

2012年11月12日 / トピックス

矢野経済研究所は11月12日、「パン・めん類市場に関する調査結果2012」を公表した。2011年度のパン・めん類市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、前年度比0.8%増の2兆3480億円が見込まれるとした。調査は食品関連の企業、団体、省庁などを対象に5~8月に実施した。

調査によると、2011年度は小麦価格の高騰を受け、各社は製品価格を値上げした。しかし、割安なプライベートブランド商品の充実や円高を背景に安価な輸入パスタの流入が拡大したため、製品値上げが市場の押し上げ要因に直結しなかった。パン市場については、全体の約6割を占めており、消費量が年々増加しているとした。

注目市場としては、家庭用パスタ市場、家庭用マカロニ市場、即席袋麺市場、即席カップ麺市場の4つを挙げている。

2011年度の家庭用パスタ市場の規模は3.0%減の485億円、家庭用マカロニ市場の規模は3.4%増の210億円と推定している。パスタ・マカロニ類については、輸入小麦価格引き上げに伴い国産品が値上げされる一方、円高を背景に安価な輸入商品の流通量が増加し、数量ベースでは拡大しているものの、金額ベースではやや軟調な推移になっているという。

2011年度の即席袋麺市場の規模は、1.0%減の1251億円と推定している。景気低迷が長期化する中、消費者が安価なプライベートブランド商品に流れたほか、販売単価の下落が重なり、市場の縮小が続いている。

即席袋麺は2011年度に保存食として注目を集めたが、生産活動の制約で供給が追いつかなかったこと、家庭の買いだめの反動が大きかったことにより、市場はわずかに縮小したとの見方を示している。2011年11月、生麺に近い食感を実現した新商品が発売されてヒットしたことを契機に市場が活性化しており、2012年度は市場規模が拡大に転じると予測している。

2011年度の即席カップ麺市場の規模は1.0%増の4190億円と推定している。2010年度は年度末に震災があり、2011年4~5月頃は保存食としての需要が高まったが、6月以降はその反動減や2010年に続く猛暑などのマイナス要素もあった。

近年は、冷凍食品が味・食感・メニューのラインナップなど様々な点で存在感を増しており、即席カップ麺と激しく競合している。特にパスタは顕著で、個食タイプの冷凍パスタが市場を拡大する一方、即席カップ麺のパスタ類は苦戦が目立つとしている。

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