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プラネット/日用品・化粧品業界EDIで旧式の通信手順から切り替え完了

2009年10月29日 / IT・システム

日用品・雑貨・化粧品・ペットフード・一般用医薬品(OTC)業界など向けの、EDI運営会社のプラネットは10月26日、EDIサービスを利用するためのユーザー側の通信手順を、旧式の「J手順 」から、インターネット技術を利用している国内標準の「全銀TCP/IP手順」、国際標準の「AS2手順」への切り替えを完了した。

データ通信手順の切り替え作業は、プラネットが2004年からユーザー企業に働きかけて推進してきた。同社は、通信手順の切り替え作業完了によって「J手順」を終了した。

日本の流通業界では、1980年に制定された「J手順」という手順が広く使われている。1990年代に入るとインターネットの進歩とともに、世界標準のTCP/IPが広く普及し、データ通信の主流となた。TCP/IPは「J手順」とくらべて高速で大容量で安く利用ができる。2004年ごろから通信機器メーカーが「J手順」用のモデムという機器の生産を相次いで中止した。「J手順」によるEDIをしているユーザーは、TCP/IPなど新世代の通信手順への切り換えを迫られている。

プラネットは2004年11月から、TCP/IPやAS2へ切り換え「2008年末までに『J手順』を終了する」とユーザーに呼びかけてきた。切り替えが遅れていた一部のユーザーについて、10月26日で切り替えが完了した。

通信手順の切り替えが完了したことにより、プラネットの利用ユーザーは、通信コスト削減、データ通信スピードの飛躍的向上に加え、プラネットが提供しているインターネット技術を用いた、大規模災害時の「EDIバックアップシステム」の使用が可能となり、ユーザー企業側のBCP対策が進むなどのメリットが生じる。

従来、「J手順」使用の旧式のユーザーと、「全銀TCP/IP手順」や「AS2手順」使用の先進的ユーザーとの間の通信は、プラネットが無償で変換をしていた。EDI運営会社として国内初の、データ通信手順の旧式から新式への切り替え完了により、変換処理は不要となり、プラネットのネットワークは飛躍的に効率化する。

「J手順」は、1980年代に日本チェーンストア協会(JCA)が制定したEOS(Electronic Ordering System)用の手順。EOSは、小売業が仕入れ先へ発注するシステム。発注データ1種類の片方向通信でしかなく、EDIとしては初歩的な段階。「J手順」は、40年も前の技術に基づいた仕様で、アナログの電話回線を利用することを前提にしているため、世界標準のTCP/IPにくらべ、1/100以下のス
ピードしかなく、漢字や画像の通信には耐えられない。日本の小売業界では、「J手順」によるEOSが広く使われており、大きな問題となっている。90%以上の小売業がJ手順を使っていると推定されている。

問い合わせ
プラネット
経営企画室
TEL03-5444-0811
keiei@planet-van.co.jp

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