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日本政策投資銀行/大阪の百貨店増床は売上高の奪い合いの可能性

2013年02月26日 / 店舗経営

日本政策投資銀行関西支店・地域企画部は2月25日、「大阪における百貨店業界の展望」を発表した。

これまでも、大阪における百貨店の過剰床問題の発生に警鐘を鳴らしてきたが、百貨店の相次ぐ開業が現実になっている状況を踏まえ、その現状を再度報告するもの。

展望では、ハフモデルを用いて大阪市と神戸市を含む40km×40km商圏(大阪商圏)を設定し、2014年度までの期間について小売販売額増減の予測分析を行った。

増床効果が見込まれる梅田地区や阿倍野地区の予測売上高は増加するものの、大阪商圏のその他の地域で予測売上高が減少する結果となっており、人口減少が見込まれる中、百貨店の相次ぐ増床は、大阪商圏内での売上高の奪い合いになる可能性が示唆された。

梅田地区の百貨店の床面積合計は新宿駅周辺の床面積合計を凌駕するなど、日本一の小売激戦区の様相を呈しているものの、増床が売上高増に必ずしも結びついていないのではないかという懸念がある。

大阪においては、ターミナル利用者自体が減少していること、消費者の給与水準が上昇せず、かつ消費性向も低下していることが売上不振の主因と考えられる。

大阪の年齢別人口構成を見ても、購買力のある生産年齢人口が今後さらに減少し続ける見込みであり、百貨店を取り巻く環境は厳しさを増していくと推測されるという。

百貨店の増床が大阪商圏内でのゼロサムゲームにならないように、各店舗は大阪商圏外から顧客を獲得するための工夫が必要で、海外の観光客にPRすることで外国人客を呼び込みことや、徹底した接客によるリピーターを育てるソフト面でのブランド育成などを提案している。

■大阪における百貨店業界の展望
http://www.dbj.jp/co/info/branchnews/kansai/index.html

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