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オルケス/婦人服卸・小売、民事再生法を申請で負債60億8100万円

2014年08月29日 / 経営

帝国データバンクによると、オルケスは8月27日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。負債は2014年1月期末時点で約60億8100万円だが、変動している可能性がある。

1948年8月創業、1953年5月に法人改組した。当初は岐阜県に本社を構え、シンガポールの商号で、量販店を中心に百貨店、アパレル向けなどに、OEM事業のほか自社ブランドによる婦人服の卸などを手がけ、2002年7月期には年売上高約194億4500万円を計上していた。

しかし、関係会社だったゴルフ場経営企業が2003年に民事再生法の適用を申請したほか、関連企業に対する貸付金が重荷となっていたことなどから業績が悪化した。

その後はニチメン(現・双日)の傘下に入り、金融機関から80億円を超える債務免除を受けるなどして建て直しを図ってきたものの、世界的な金融危機や国内消費の低迷などの影響から思うように業績が回復せず、2011年1月期(2005年に決算期変更)の年売上高は約72億6400万円に減少、5期連続の欠損計上を余儀なくされていた。

2011年6月に事業再生コンサルタントのMIT Corporate Advisory Servicesが、全株式を取得し、双日が持つオルケス向け債権を譲り受けたうえで、デット・エクイティ・スワップを実施して大幅に財務を改善、黒字化にも成功していた。

その後は、MIT社が設立した特定目的会社経由して、婦人服製造小売のクレッジを2013年7月に吸収合併し、自社はオルケスに商号を変更した。

旧・クレッジが手がけていた10代後半から20代の女性向けのブランド「LIP SERVICE」「JURIANO JURRIE」などを擁し、2014年1月期には年売上高約108億2100万円を計上していた。

しかし、今年の春頃から小売り部門の拡大を目指すべく、支払いサイトの変更要請を行い手元資金の増強を図った結果、取引先からの警戒感を高まっていた。こうしたなか、今月に入り資金繰りのメドが立たなくなり、今回の措置となった。

なお、関係会社のシンガポールファッションも、同様の措置となっている。同社は1971年12月にシンガポールと伊藤忠商事の共同出資で設立され、婦人服ボトムの製造・保管や品質管理を手がけていた。

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