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萬野畜産/牛肉の産地偽装が8月に発覚、自己破産、負債12億円

2014年09月22日 / 経営

帝国データバンクによると、萬野畜産は9月16日に事業を停止し、事後処理を弁護士らに一任し、自己破産申請の準備に入った。負債は2014年2月期末時点で約12億3600万円。

1913年創業、1981年2月に法人改組した食肉卸業者で、牛肉(75%)を中心に、豚肉(24%)、鶏肉(1%)も扱っていた。

主力である牛肉は北海道産や、飛騨牛、三重牛など国産牛を中心とするほか、オーストラリアの現地法人からの輸入牛肉も扱っていた。

グループ会社を利用して生産から販売までを一貫して取り組み、百貨店内の店舗販売や直営店販売、食肉加工業者向け、カタログギフト向けなど幅広い販売チャネルを確立し、2005年2月期の年売上高は約35億3900万円を計上していた。

しかし、以降は口蹄疫問題や鳥インフルエンザなど食肉業界に対する逆風が立て続けに起こるなか、個人消費低迷や低価格志向も強まり2014年2月期の年売上高は約28億7900万円までダウン、採算面も低調なものとなっていた。

こうしたなか、2007年から7年間にわたって「飛騨牛」「三重県産」などと原産地や個体識別番号を偽って、他産地のものを合計約18トン販売していたことが今年8月に発覚。同29日には農水省から是正勧告を受けていた。

中元・歳暮として販売していた在阪大手百貨店では顧客に対する全額返金の方針を発表し、損害賠償の動きも出ていたなか、先行きの見通しが立たなくなり今回の事態となった。

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