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大丸心斎橋本館/御堂筋側ブロックの外壁を保存し建て替え

2015年09月14日 / 店舗経営

J.フロントリテイリングは9月11日、建て替え計画を進めている「大丸心斎橋本館」で、建て替え後も歴史的価値の高い御堂筋側ブロックの外壁を保存すると発表した。

<外観イメージ>
外観イメージ

本館は計27段階に亘る増改築を経て完成した。主要部は1933年竣工の第4期工事において一旦の完成をみるが、5階以上を戦災で焼失した以降、8階まで上方に増築を重ねている。

建築の設計は、近江八幡を拠点にして、米国の流れを引く建築設計で知られるヴォーリズ建築事務所の代表作の一つで、建築の価値を承継するために、保存検討委員会で検討を重ねていた。

今後は、保存対象部分の外装材料や躯体の健全性を確認しながら保存を実現するための技術的検討をする。新築部も保存部とのバランスを考慮し御堂筋沿道の景観として相応しいデザインとする予定だ。

<内装イメージ>
内装イメージ

内装は、意匠的に評価すべき部位の抽出とともに、1次調査を行った。その結果、昭和初期の百貨店建築として当時の商業文化を現代に伝える意匠的評価の高い部分が、特に1階を中心として継承されてきたことを再認識した。

本館内部の価値の継承では、保存する外壁から風除を介してつながる1階の内部空間の継承が最も重要と考えた。

今後は、塗装の改変や劣化の有無、現躯体から取り外しが可能かどうか等再調査を行い、再活用できる部材を抽出し、自社としての店づくりの考え方をベースに、1階を中心として店舗内装環境で活用する計画だ。

なお、大丸心斎橋店本館は12月30日に営業を終了する。

■大丸心斎橋店
http://www.daimaru.co.jp/shinsaibashi/index.html

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