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矢野経済研究所/2009年度の飲料市場規模4兆7900億円

2009年09月08日 / トピックス

矢野経済研究所は9月8日、6-8月に、飲料メーカー、販売企業、自販機オペレーターなどに面談・ヒアリングなどを実施して行った飲料市場の調査結果概要を発表した。それによると、2008年度の飲料の総市場規模は4兆9250億円と前年度比1.7%減となった。

減少の要因は、夏場以降の天候不順と、急激な経済環境の悪化による消費者の生活防衛意識の高まり、工場などの稼働時間縮小による自動販売機の売上減などと見られている。2009年度もこうした傾向は継続すると見られ、市場規模は2.7%減、4兆7900億円と予測している。

メーカーなどの動向では、飲料市場は新たな需要を喚起するのが難しい成熟市場であり、少子高齢化や人口減により長期的には成長が見込みづらい市場でもあるため、メーカー各社は消費者の定番商品への回帰を受け、短期的には既存商品やブランド強化で市場の活性化に注力。

その一方で長期的には、海外市場への販路拡大に向けた大手飲料メーカー同士の提携など、業界再編の動きを活発化させている。

主要品目別の動向では、2008年度のミネラルウォーター市場規模は1.8%増の2290億円。2005年度から2007年度は成長率が毎年1割強と順調だったが、成長率が鈍化した。

2008年度は国産ブランドが好調だった反面輸入ブランドは不調で、従来国産ブランドは2L容器による家庭用途、輸入ブランドは500ml入り容器のパーソナル用途と商品の棲み分けができていたが、国産ブランドも小型容器での品揃えを拡充した結果、自動販売機等での販売競争が激化し、為替変動や一部ブランドの商品回収問題も加わり、輸入ブランドが苦戦した。

日本茶飲料の市場規模は4.9%減の6850億円とここ数年減少基調にある。主な要因はメーカー各社が新商品を相次いで導入するなかで、商品の差別化が図れなくなったこと、また炭酸飲料などに健康志向を反映したゼロカロリーを訴求した商品が出てきたことなどが挙げられる。

また、景気悪化により、購入せず自宅で淹れるなどの消費者の買い控えも影響している模様。主要メーカー各社は「香り」を新たな商品開発の切り口とする動きがある。

コーヒー飲料の2008年度の市場規模は1.1%増の8980億円で安定的に推移した。コーヒー飲料は飲料総市場でも約2割を占める市場で、メーカー各社にも重要な商品と位置づけられている。2008年度は微糖を中心に商品投入を行った結果、市場が順調に推移した。

コーラ飲料などで火付け役となったゼロカロリー商品が投入され、健康志向の消費者からも支持を得た。その一方で、コーヒー飲料は自動販売機の搭載率も高く、工場や事業所の営業休止や閉鎖などによる職域チャネルの売上減の影響が懸念される。

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