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2021年の景気見通し/企業の3割悪化見込み、雇用・所得減少を懸念

2020年12月14日 16:20 / 経営

帝国データバンクは12月14日、「2021年の景気見通しに対する企業の意識調査」結果を発表した。

2020年の景気動向は、「回復」局面であったと考える企業は3.4%にとどまり、前回調査(2019年11月調査)から0.3ポイント減少、3年連続で1ケタ台だった。「踊り場」局面とした企業は24.8%だったほか、「悪化」局面とした企業は56.0%で同24.8ポイント増加し、2012年以来8年ぶりに5割超となった。

<景気見通しの推移(2007年~2021年)>
景気見通しの推移
※(C)TEIKOKU DATABANK, LTD.(以下同)

2021年の景気見通しは、「回復」局面を見込む企業は13.8%で、前回調査から7.0ポイント増となっている。「踊り場」局面になると見込む企業は28.7%と同4.1ポイント減少、「悪化」局面を見込む企業は同4.8ポイント減少の32.4%という結果となった。

2020年「回復」3.4%、「悪化」56.0%

2020年を「回復」局面とした企業からは、「新型コロナによる影響もあったが、Go Toトラベル等の政府の諸政策もあり回復基調にある」(港湾運送、香川県)や「2019年の台風被害から脱却需要は増えている。新型コロナの影響もあるが順調」(養鶏、茨城県)といった声が聞かれた。

「新型コロナによって対面販売の売り上げが減少したが、EC など非対面販売が増加した。この非対面の良さを活用し売り上げに寄与させたい」(寝具製造、愛知県)のような、新型コロナによる環境の変化を前向きに捉えている様子もみられた。

しかし、「踊り場」局面とした企業は24.8%だったほか、「悪化」局面とした企業は56.0%で同24.8ポイント増加し、2012年以来8年ぶりに5割超となっている。

「悪化」局面とみている企業からは新型コロナの影響として、「設備投資意欲が減少していると感じる」(セメント卸売、石川県)、「事業用賃貸の家賃値下げ交渉が多々あり、情勢を考慮すると対応せざるを得ない」(土地売買、神奈川県)という声が挙がった。

2021年の景気見通し「悪化」2年連続で3割上回る

2021年の景気見通しは、「回復」局面を見込む企業は13.8%で、前回調査から7.0ポイント増となった。「踊り場」局面になると見込む企業は28.7%と同4.1ポイント減少、「悪化」局面を見込む企業は同4.8ポイント減少の32.4%となったものの、2年連続で3割を上回った。

<「小売」(32.5%)も悪化を懸念>
「小売」(32.5%)も悪化を懸念

特に「建設」(44.8%)と「不動産」(40.4%)では悪化を見込む割合が目立っている。

「サービス」(33.7%)、「小売」(32.5%)も悪化を懸念していることがうかがえる。

2021年景気への懸念材料は、新型コロナウイルス感染症などの「感染症による影響の拡大」が57.9%で最も高い(複数回答3つまで、以下同)。次いで、「雇用(悪化)」(21.0%)、「所得(減少)」(19.2%)だった。

景気回復のために必要な政策では、「感染症の収束」が58.0%で最も高かった(複数回答、以下同)。

また、「中小企業向け支援策の拡充」(31.6%)、「個人消費の拡大策」(25.0%)と続いている。

同調査は、調査期間は2020年11月16日~30日、調査対象は全国2万3686社で、有効回答企業数は1万1363社(回答率48.0%)だった。

■問い合わせ先
帝国データバンク
データソリューション企画部 産業データ分析課
TEL:03-5775-3163 
E-mail:keiki@mail.tdb.co.jp

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