バローHD 決算/4~9月営業利益6.4%減、ドラッグストアの人件費増など響く

2024年11月12日 14:14 / 決算

バローホールディングスが11月12日に発表した2025年3月期第2四半期(中間期)決算によると、営業収益4220億1600万円(前年同期比5.7%増)、営業利益104億3400万円(6.4%減)、経常利益122億900万円(3.4%減)、親会社に帰属する当期利益67億3600万円(1.6%増)となった。

バローホールディングス

売り上げ面は、スーパーマーケット事業の既存店売上高が前年同期比で5.2%増、ドラッグストア事業2.4%増、ホームセンター事業1.5%増、主要業態でいずれも増収を達成。営業収益は過去最高を更新した。

一方、利益面では、スーパーマーケット事業、流通関連事業では増益だったが、ドラッグストア事業、ホームセンター事業では、売上総利益率の低下もあり減益となった。連結ベースでは、広告宣伝費は減少したものの、人件費の増加や新規出店、改装による費用の増加もあり、営業利益は減益を計上している。

なお、経常利益および税金等調整前中間純利益は減少したものの、純利益は増益となり、過去2番目の水準となった。

スーパーマーケット事業の営業収益は2355億7900万円(6.3%増)、営業利益は84億4700万円(3.8%増)。

関西圏売上高500億円構想の一環として、中核のバローが9月に同社初の奈良県への出店として「バロー登美ヶ丘店」(奈良県奈良市)を新設。中部フーズは、カレーパン専門店を出店した。

人件費、集配送費、水道光熱費の増加などにより販売費および一般管理費が増加したものの、売上総利益の増加で吸収し、増収増益だった。

ドラッグストア事業の営業収益は890億2400万円(4.3%増)、営業利益は21億1600万円(22.2%減)。

猛暑の影響による冷却用品やUV関連商品のほか、8月の「南海トラフ地震臨時情報」の発表を受けて災害時備蓄品の販売が伸長した。処方箋枚数の増加により、調剤部門の売り上げも順調に拡大した。

しかし、人件費、店舗の新設・改装費用などが増加したため、減益を計上している。

ホームセンター事業の営業収益は661億8900万円(4.6%増)、営業利益は18億5200万円(16.0%減)。中間決算に含まれるアレンザホールディングスの業績は、2024年3月1日から8月31日までを対象としている。

主力部門である植物・園芸用品、DIY関連商品、農業資材などの売り上げが春先の低温の影響により低迷したものの、猛暑の影響からエアコンなど季節商品や熱中症対策商品が好調に推移した。さらに特需として、8月の「南海トラフ地震臨時情報」の発表に伴う防災関連商品、相次ぐ台風の影響から災害対策商品が伸長した。また、EC部門も、即日発送対応商品の拡大などを行った。

一方、人件費・水道光熱費・キャッシュレス決済手数料の増加、旧ホームセンター・アント5店舗を含む改装費用が増加したため、増収減益だった。

ペットショップ事業の営業収益は142億7400万円(1.4%増)、営業利益は4億300万円(40.1%減)。中間決算に含まれるアレンザホールディングスの業績は、2024年3月1日から8月31日までを対象としている。

プレミアムフードやおやつ、冷凍フードなど主力の犬猫フードの売れ行きが好調。サービス部門もトリミングに加えて、犬の幼稚園といった新たな付加価値サービスの利用が増加した。しかし、新店開設費用や人件費の増加、キャッシュレス決済比率上昇による取扱手数料増加の影響で、増収減益となっている。

スポーツクラブ事業の営業収益は51億6700万円(5.5%増)、営業損失は2億2300万円(3億8600万円の営業損失)。

会員増やスイミングスクールの会費値上げで増収を確保。減価償却費など販管費が減少したため、赤字幅が減少した。

流通関連事業の営業収益は100億1100万円(20.2%増)、営業利益は22億4000万円(23.3%増)。

スーパーマーケット事業やドラッグストア事業などの販売増により物流通過高が増加したこと、資材消耗品の供給拡大、子会社化した鷺富運送が寄与し、増収増益だった。

店舗面では、35店舗の新設(スーパー5、総菜専門店7、ドラッグストア14、ホームセンター2、ペットショップ6、その他1)、12店舗(スーパー2、ホームセンター2、ペットショップ7、スポーツクラブ1)の閉鎖により、グループ店舗数は1371店舗(スーパー320、総菜専門店58、ドラッグストア521、ホームセンター168、スポーツクラブ175、ペットショップ123、その他6)となっている。

顧客との接点強化のために、店舗拡大だけでなく、自社電子マネー「LuVit(ルビット)カード」やアプリの利用促進にも注力した。中間期末時点での「LuVitカード」会員数は481万会員、アプリ登録会員は117万人となっている。「LuVitクレジットカード」の中間期末のカード申し込み受付件数は24万口座。

通期は、営業収益8400億円(4.0%増)、営業利益235億円(2.9%増)、経常利益264億円(3.1%増)、親会社に帰属する当期利益123億円(3.0%増)を見込んでいる。

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