アジアのソーシャルコマース市場/中国は物販・デジタル系が有望
2012年12月17日 / 海外
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矢野経済研究所は12月17日、インド・インドネシア・中国のソーシャルコマース市場に関する調査結果をまとめた。
ソーシャルコマース市場は、ソーシャルメディア・ソーシャルツールを介して行う商業活動(物販およびサービス)で、OtoO(Online to Offline)型も含まれるが、市場規模はオンラインで完結するものを対象に算出している。
<中国のソーシャルコマース市場規模予測>

中国では、物販系のソーシャルコマースが成長している。EC(電子商取引)市場がCtoC を中心に既に大きな市場を形成している。加えて、昨今のソーシャルメディアやツールの普及により、ソーシャルプラットフォーム内や経由におけるEC利用が増加している。
特に、ニセモノや粗悪品の流通も少なくないとされ、利用者は店舗や、サービスの評判や信頼度を非常に重視している。そのため、EC におけるクチコミの影響力は特に大きい。
大手のソーシャルプラットフォーマーは自社運営のSNS上で物販系やクーポン系のEC サービスを展開しているが、クチコミの影響もあって売上規模が伸びている。
中国におけるソーシャルコマース市場規模は2012年で491.3億ドル、2015年には897.3億ドルを予測
する。概して中国に関する諸問題への懸念が存在する一方で、物販系・デジタル系ともソーシャルコマースの成長性は高く、市場規模も拡大が見込まれるという。
<インドのソーシャルコマース市場規模予測>

インドではEC市場は成長分野だが、物流環境の悪さや決済環境の特徴などにより、参入に対する投資コストは高いと考えられる。
一方で、ソーシャルメディア人口は多く、ソーシャルプラットフォームのアクティブ率が高い。また影響力も強いので、OtoO(Online to Offline)型の活用分野がより有望であると考える。
インドではソーシャルメディアやソーシャルツールは、モノではなく情報流通プラットフォームとしての有望性が非常に高い。物販であれば、OtoO(Online to Offline)戦略のためのツールとしては非常に有効に機能すると考えられる。
インドにおけるソーシャルコマース市場規模は2012年で2.2億米ドル、2015年には31.8億米ドルを予
測する。
インドネシアでは、2012年で1.1億米ドルの見込み、2015 年で4.2億米ドルを予測。
ジャカルタを中心にすでにEC 市場が急成長しており、ソーシャルプラットフォームの利用率・アクティブ率も高いため、物販系のソーシャルコマース分野は有望としている。