エキュートエディション御茶ノ水/全面開業で計13店舗オープン、幅広い客層に照準
2025年05月12日 16:13 / 店舗レポート
JR東日本クロスステーションは5月14日、都内で運営するJR御茶ノ水駅の駅ナカ商業施設「エキュートエディション御茶ノ水」を全面開業する。それに先立ち5月12日に報道関係者向けに内覧会を開催した。
建物は2階建てで、2023年12月に先行して3店舗がオープン。4月9日には1階部分に3店舗、5月14日には1、2階に7店舗が出店し合計13店舗で全面開業する。
周辺には大学やオフィスのほかに病院も多い。そこでオフィスワーカーや学生に加え、通院や見舞いで病院を利用する人など幅広い層の利用を想定している。
施設は隣接する神田川の景観を取り込み、自然光が差し込む開放的な空間で、水辺のリラックスした雰囲気が感じられるようデザインしている。
新設された聖橋口改札側と、茗渓通り側の2方向からアクセスが可能。館内には各所に植栽を配置し、神田川沿いの緑を館内に持ち込んだかのような空間を創出し、周辺環境と呼応した空間づくりを目指した。買い物の合間にくつろげるよう、神田川方面には2階にオープンテラス「おちゃテラス」を設けた。
茗渓通りエントランスから2階に行くと、御茶ノ水エリアの魅力を発信するコミュニティスペース「おちゃのば」を構える。御茶ノ水近辺で作られた約8種類のフリーペーパーや「まちあるきマップ」を設置する。
さらに注目したいスポットをカテゴリーごとに「特集」して紹介する「おちゃのばカプセル」は、周辺エリアの見どころをアクリルキーホルダーにしてカプセルトイとして購入できる。第一弾として「純喫茶」を特集する。
5月14日に施設2階にオープンする「猿田彦珈琲」は御茶ノ水エリアに初出店。駅ナカということから、クイックに利用する顧客を想定し、コーヒーとクロワッサンのモーニングセットを500円で提供。
それと同時に、ゆったりと味わいたい顧客も想定し、今回初めて眺望を楽しめるテラス席(全16席)を構える。
猿田彦珈琲では「さまざまなお客様にご来店いただきたい」(広報)とする。
猿田彦珈琲の向かいには「とんかつ まい泉食堂」が同日オープン。店内の席数は25席で、券売機で購入すると素早く提供する体制を整える。
1番人気のメニューは「かつ丼」(990円)で、次いで「とんかつ膳」(1290円)が人気。イートインのほかに、カツサンドを販売し、ランチタイム限定で弁当も提供する。
「まい泉食堂」業態は東京駅の「グランスタ東京店」に次いで2店舗目で、来月には東京・立川に3店舗目の出店を予定している。
2階にオープンする店舗の中で異色なのが、ケンエレファントによる雑貨やアート作品を扱う「ケンエレブンシツ」だ。
JR東日本クロスステーション デベロップメントカンパニーで営業部秋葉原店主任の宮尾健吾氏によると「(御茶ノ水駅近くの)明治大学の裏側に本社を構えていて、この地域に根差す文化に対して強い意思を持っている。そこで何かをやりたいということで、一番最初に手を挙げていただいた」という。
「ケンエレブンシツ」は、ミニチュアトイや本、ソフトビニール作品、アップサイクルアイテムなどケンエレファントが展開する全ジャンルの商品を集める。店内ではギャラリースペースも併設し、最新のアートとカルチャーを発信する。
「ケンエレブンシツ」の隣には「FARM8 STAND」がオープンする。新潟県長岡市のFARM8社が運営する同店舗では「発酵シェイク」や「発酵あまざけ」のほかに、日本酒カクテルの「ぽんしゅグリア」などを提供する発酵スタンドバーを展開。
さらに日本酒や酒器のガチャガチャを設置したり、新潟・燕三条の工芸品を取り扱ったりと、ユニークな商品をラインアップ。オープン時(5月14~16日)には新潟県の純米大吟醸酒かす(500g)を100円で販売する(各日100個限定)。
「FARM8 STAND」の奥には、フリースペースを備えており、神田川の景観を眺めながら、過ごすことができる。
また、2階には「ウエルシア」のドラッグストアと調剤薬局がオープンする。施設のデザインに合わせて店内には植栽を設置するなどの工夫を施した。周辺には病院が多いことから、調剤薬局の併設に至ったようだ。
JR東日本クロスステーションによると、ウエルシアは「生活に必要なアイテムを扱い、生活圏のお客様を支える店舗」(宮尾氏)という位置づけだ。
1階の改札内には、アジアンカフェの「ゴンチャ」がオープン。テイクアウト専門の店舗として、オフィスワーカーや近隣の大学生をターゲットに、駅ナカで素早く購入したいニーズに対応する。
JR東日本クロスステーションの宮尾氏は「改札内はクイックニーズに対応する必要がある。そこで『ゴンチャ』さんにテイクアウトで出店してもらった。一方、改札外は比較的ゆっくり買い物やお過ごしいただけるブランドさんに出店してもらっている」と説明し、改札内外で出店ブランドに違いを出した。
聖橋口とは逆の「お茶の水橋口」には、改札外に「青山フラワーマーケット」(花)と「アトリエはるか」(美容)の2店舗、改札内に「ラフィネ」(リラクゼーション)の合計3店舗が4月9日にオープンしている。
改札内の「ラフィネ」では急いでいる生活者向けに15分や20分といった短い時間のサービスメニューも用意している。
また、2023年12月に1階改札外で先行オープンしたベーカリーの「PLUSOUPLE(プラスプレ)」は5月19日に全面リニューアルする。
敷島製パンが運営する同店は2022年に鎌倉で立ち上がり、御茶ノ水は2店舗目。リニューアルでは国産小麦の生地配合に変更。これまでは女性客が多かったが、男性客向けに総菜パンを追加するほか、手軽に野菜を楽しめるようパックデリも用意する。
さらに近隣の病院への手土産ニーズに対応するために、焼き菓子のギフトセットも新たにラインアップする。
2023年12月には「プラスプレ」のほかに1階改札内に「NewDays」と「いろり庵きらくそば」がオープンしている。
■エキュートエディション御茶ノ水
所在地:東京都千代田区神田駿河台2-6
ホームページ:https://www.ecute.jp/edition_ochanomizu
取材・執筆 比木暁
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