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ワールド/百貨店向けなどで苦戦、売上高4.3%減

2009年05月20日 / 決算

アパレル大手のワールド(兵庫県神戸市)が5月19日に発表した2009年3月期決算によると、売上高は3427億5800万円(前年同期比4.3%減)、営業利益176億9600万円(12.3%減)、経常利益135億800万円(6.1%減)、当期利益50億1900万円(12.3%減)となった。

事業別の概況は、自社ブランドとワールドレップシステムで取引先専門店の多様化するニーズに対応した。また、アパレル専門店向けのBtoBサイト「W-WIN」により、事業の活性化にも取組んだが、取引先専門店を取り巻く環境は厳しい状況が続いた。

小売事業では、まず百貨店SPA業態で、競争優位性の高い基盤構築に向けた業務革新を継続したが、「アンタイトル」を軸とした百貨店レディース、「タケオキクチ」を軸とした百貨店メンズとも売上が減少した。

一方、路面店や情報発信基地であるファッションビル、駅ビルに向けてトレンド発信型のセレクトショップを展開する高感度型バイイングSPA業態では、セレクトショップ「アナトリエ」が、「アクアガール」に次ぐ主力ブランドに成長した。また、キャリア女性に対応した「ルビーリベット」も顧客の支持を得て順調に売上が伸びた。

ファッションビルや駅ビル、ショッピングセンターチャネル向けのバイイングコモディティ業態では、2004年にスタートした「グローブ」が引き続き高い成長性を保ち、「インデックス」に次ぐ主力ブランドへと成長した。

ショッピングセンターチャネルを中心に展開しているファッションコモディティ業態では、主力ブランドの「ハッシュアッシュ」はやや苦戦し、ジュニア向けの「ピンクラテ」や「スープ」などの消費者のニーズを掴んだ比較的新しいブランドが順調に売上を伸ばした。また、編集型のファッションライフスタイルストアを展開するストア業態では、「オペーク」、「フラクサス」、「オルベネ」などのストアで、それぞれのチャネルや世代に対応した買い場の創造に取組んだ。

ブランド10周年を迎えたオペークは、ブランドロイヤリティの向上と新たな顧客獲得を目的に全店でキャペーンを展開した。

生産事業では、ワールドプロダクションパートナーズを核に、店頭を起点に全体最適の視点で「生産の見える化」を実現することで、工程間で発生する様々なロスを改善し、競争優位性の高い生産系業務のプラットフォーム構築を推進した。昨年4月には、千本松染色工業の営業を開始し、優れた染色技術を生かすことで品質の高い商品提供にも努めた。

海外事業は国内事業との連携を高め、中国を中心にアジアマーケットでの販売事業に注力し、中国では小売事業に加えて卸事業の体制を再構築し、販売網の拡大に着手した。台湾、香港、韓国でもマーケットの動向に合わせて新たなブランドの出店に取組んだ。昨年9月には、中国に検品・物流機能を運営・管理する新会社、世界日一(上海)企業管理諮詢有限公司を設立し、12月から営業を開始した。

来期は、卸事業で引き続き地域に根ざした販売力のある専門店との取組に加え、ワールドレップシステムやW-WINなどを通じて事業の活性化に取組む。小売事業では、百貨店SPA業態、高感度型バイイングSPA業態、バイイングコモディティ業態、ファッションコモディティ業態を中心に、顧客ニーズに対応した競争優位性の高い基盤構築に向けたプラットフォームの確立を推進。

引き続き業務革新にも取組む。また、編集型のファッションライフスタイルストアを展開するストア業態、WEBやモバイル販売を行うダイレクトマーケティング事業にも積極的に取組むとしている。

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