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ウォルマート/「責任ある商品調達」指針を北京で発表

2008年10月23日 / 経営

ウォルマート・ストアーズ・インクは10月22日、サステナビリティに関する取組みの一層の深化に向けて、北京市内で主要取引先、中国政府関係者、NGOなどの代表者1,000名余を一堂に集めた大規模な「サミット会議」を開催し、環境と社会の両面で責任あるグローバル・サプライチェーンを構築していくことを目指して、そのために達成すべき目標、取引先に求められる指針などの概要について発表した。同日、中国科学技術省「アジェンダ21」管理センターと覚書を取り交わした。

ウォルマート社長兼最高経営責任者(CEO)のリー・スコットは、「サステナビリティは、事業そのものをより良くしていくことであり、今後小売業者として成功を収め、お客様の期待に応えていく上で必要不可欠の要件だと考え、取引先の工場、そこで生産される商品の品質の改善を進めなければ、将来にわたってお客様からの信頼を確保していくことは出来ません」と述べた。

さらに、「就労者の残業時間や年齢の偽り、有害物質の河川への不法投棄、脱税や契約違反をするような企業は、やがて自社の商品の品質を偽るようになるのです。それは、お客様への背信行為に等しく、我々ウォルマートとして絶対に容認できるない」と述べた。

取引先に義務付けられる事項
・環境関連の法規制の遵守
今後新たに作成される取引契約において、対象工場が地域内の法規制を遵守し、厳格な社会・環境基準に準拠して操業していることを証明するよう義務付けるなど、取引先の法令遵守を徹底する方策を採用していく。中国国内の取引先を対象に2009年1月に導入し、その他の全世界の国々にも、2011年までに段階的に導入する計画。

・エネルギー効率の改善と天然資源節約に向けた取引先との連携
主要取引先と連携し、中国国内で直接の商品調達先となっている上位200の工場のエネルギー効率を2012年までに20%改善することを目指す。そのために、関連する情報や好事例を対象となる全ての工場や競合企業などとも共有していく。

・商品の品質及び安全性に関する基準の向上
2012年までに商品不良による返品をすべてなくすことを目標にする。

・透明性と説明責任の強化
ウォルマートが販売する直接輸入商品の輸入元と、プライベート・ブランド(PB)商品等のサプライヤーに対して、2009年中に、該当商品を製造した全ての工場の名称と所在地に関する情報を提供するよう義務付ける。

また、ウォルマートが直接商品調達を行っている全ての取引先に対して、2012年までに、商品生産に必要とされる原材料などの95%を環境活動・社会活動に関して最高レベルの評価を受けている工場から調達するように要請する。

・中国国内店舗での環境対策の強化策
2010年までに、現状よりエネルギー使用量を40%抑えた新店のプロトタイプを完成・開業させると同時に、既存店においても、エネルギー使用量の30%削減を目指す。

ウォルマート・チャイナでは、設備・システムなどへの新規投資と好事例の紹介・活用を通じて、今後2年間の内に全店での水の使用量を現在の半分に削減していく。今後環境配慮型商品の品揃えの拡充に一層注力する。

北京で開催されたサミット会議の模様は下記URLを参照。
http://walmartstores.com/FactsNews/NewsRoom/8696.aspx

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