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矢野経済研究所/百貨店の新興ライセンスブランド導入加速

2009年12月03日 / トピックス

矢野経済研究所は12月3日、9-10月の期間に調査した国内ライセンスブランド市場の調査結果概要を発表した。ライセンスブランド展開のファッションアパレル、服飾雑貨展開企業、商社などを調査したもので、概要によると2008年度の衣料品・服飾雑貨のライセンスブランド市場規模は、小売金額ベースで約1兆6415億円(前年比5.8%減)と12年連続で市場規模が縮小した。

近年の市場縮小の要因は、ライセンスブランド群の主力販路だった百貨店、GMSの衣料品販売力の低下、同じく同市場を下支えしてきたともいえるギフト需要の減退などが背景とされる。これまで同市場の核となってきた欧米のプレタ系(ファッションハイエンド)ライセンスブランド群の上位は、百貨店が主力販路で、販路構成の約6割を占めるとされる。

このため百貨店の販売力低下が市場に直接反映され、経済不況によるブランド消費の減退とファストファッションブームが市場停滞に拍車をかけている。

2008年度は、調査対象32アイテム中30アイテムがマイナス成長となった。各分野ともマイナス基調にあり、この32分野をウェア、服飾雑貨、一般雑貨と分類した場合、ライセンスマーケット市場の約6割を占めるウェアは約2桁近い減少となった。一方、「スイム・フィットネス」分野は中高年層のウォーキングブームや若年層のランニングブームを背景に堅調に推移した。

各ファッションアイテムのライセンスブランド主要展開メーカーは、チャンネルや商品企画の制約、そしてコスト(ライセンス料)の発生するライセンスビジネスに依存しない自社ブランド開発の強化を進めている。

百貨店側も、近年は駅ビル、ファッションビル、郊外型ショッピングセンターなど、新業態チャンネルで成長している消費次世代層向けの新興ブランドを導入していくと見られる。これらの背景から、従来からのライセンスブランドビジネスは、市場規模の縮小が継続し、ブランドの再編・集約化が進むと見られている。

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