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コンビニ/7月は長梅雨で大手4社前年割れ、客数減続く

2019年08月19日 17:30 / 月次

コンビニエンスストア各社が発表した7月の営業実績によると、既存店売上高の前年同月比はセブン-イレブン3.4%減、ファミリーマート1.7%減、ローソン2.3%減、ミニストップ5.1%減となった。

<コンビニ店舗イメージ>
コンビニ店舗イメージ

客数は、セブン-イレブン5.6%減、ファミリーマート3.6%減、ローソン4.5%減、ミニストップ6.6%減だった。

客単価は、セブン-イレブン2.3%増、ファミリーマート1.9%増、ローソン2.3%増、ミニストップ1.5%増となった。

7月は全国的に長梅雨となり、各社とも影響を受けた。ソフトドリンク、アイスクリームなどが不調だった。4社そろって客数減、客単価増となった。

エキナカを中心に展開する「ニューデイズ」は、既存店売上高が1.1%増となり、雨であっても客数が伸びるエキナカ立地の強さを裏付ける結果となった。

■セブン-イレブン(2019年2月期:チェーン全店売上高4兆8988億7200万円)
既存店売上高は、前年同月比3.4%減、客数5.6%減、客単価2.3%増。

チェーン全店売上高1.2%減、店舗数は2万990店。

既存店の売上高は2カ月連続で前年割れとなり、客数は9カ月連続で減少し、減少幅が拡大した。一方で、客単価は9カ月連続で増加した。

チェーン全店売上高が前年割れとなるのは、たばこの販売方法の変更による反動減があった2010年3月以来9年4カ月ぶり。

セブン&アイ・ホールディングス広報センターによると、「7月は年間売上のピークだが、昨年は観測史上、最速の梅雨明けであったのに対して、今年は長梅雨で、気温が低く雨が多かった。7月中旬から下旬にかけては、花火大会など人が出かけるイベントが増加するが、この期間の天候にも恵まれなかった。天候与件に大きく左右された月となった。」と分析している。

セブンペイの不正利用や廃止の影響については、「セブンペイは今年はじめていれた施策であり、販促策なども初めてのものであったため、昨年と比較した影響は分からない」とコメントしている。

■ファミリーマート(2019年2月期:チェーン全店売上高2兆9828億5200万円)
既存店日商1.7%減、客数3.6%減、客単価1.9%増。全店売上高1.9%減となった。

出店47店、閉店18店、純増29店、合計1万5546店。

エリアフランチャイズは、沖縄326店、南九州398店、JR九州リテール199店、合計923店で、国内合計1万6469店だった。

7月は、昨年同月に比べ低温の日が多かったことから、ドライ飲料・アイスクリーム・酒などの季節性の強いカテゴリーが伸び悩み、「中食以外」は前年を下回った。一方、「夏フェスタ」(7/16~)などの取り組みも奏功し、FF(中華まん・おでん)、惣菜・デザートなどが引き続き好調に推移、「中食」は前年並みの実績となった。

デザートは、「カスタードエクレア」(138円)などの新商品が好調だったことに加え、「スフレ・プリン」シリーズは7月に販売個数累計1,000万個を突破するなどケーキ類が引き続き好調で、前年実績をクリアした。

惣菜は、「お母さん食堂」シリーズの新商品「国産豚を使った豚もつ煮込み」(268円)などのおかず・おつまみ惣菜が引き続き好調で、前年実績をクリアした。

弁当は、新商品「炙り焼チキンステーキ弁当」(530円)などが好評で、前年実績をクリアした。

■ローソン(2019年2月期:チェーン全店売上高2兆4245億4100万円)
既存店売上高(チケット・ギフトカード除く)2.3%減、客数4.5%減、客単価2.3%増。

全店売上高は2287億9500万円(1.1%増)、客数794人、客単価676円。平均日販は53万6000円。

国内では、出店58店、閉店は純粋40店、置換4店、合計44店で純増14店だった。

2019年6月末時点のローソングループ国内総店舗数1万4705店のうち、ナチュラルローソンは143店、ローソンストア100は790店。

7月は梅雨前線の影響から、例年と異なり低温が続き、曇りや雨の日が多く、客数にマイナスの影響を及ぼした。

デザートカテゴリーの売上は、「バスチー(バスク風チーズケーキ)」の人気が継続していることに加え、「どらもっち(プリン&ホイップ)」などの和菓子が好調に推移したことから、前年を大きく上回った。

ベーカリーカテゴリーでは、「マチノパン」シリーズから新商品が発売されたことや、デザートと連動企画の「レモンフェア」が人気を集めたことなどにより、売上は前年を大幅に超えた。

日配食品や冷凍食品カテゴリーは、主に生活全般のニーズに対応する品ぞろえを継続的に強化していることにより、売上は前年を上回った。また、たばこは、既存店売上高前年比を0.5%程度押し上げる要因となった。

ローソンストア100は、既存店売上高3.9%減、客数6.9%減、客単価3.3%増となった。出店はなく、7店を閉店した。

■ミニストップ(2019年2月期:チェーン全店売上高3337億4000万円)
既存店1店1日当たり売上高は44万1000円(5.1%減)、客数780人(6.6%減)、客単価565円(1.5%増)。

全店1店1日当たり売上高は44万円(2.2%減)。全店売上高は、13.0%減となった。

出店3店、閉店9店、期末店舗数は1998店(内cisca5店)。

今年は梅雨寒、昨年は猛暑と、7月は気候の反動を大きく受けた月となった。その結果、気温上昇時に販売が伸長するソフトドリンクやコールドデザートなどにおいて前年を下回る結果となった。

一方で、新たな施策や新商品の発売で今後の足掛かりもできた。

コンビニエンスストア商品では、「単品おにぎり毎日100円」を開始し、好評となった。単品おにぎりの販売数は、昨年を大きく超えて現在も推移している。

店内加工ファストフードでは、スイーツ感覚で楽しめる、「ザクザクいちごミルク」と「ザクザクみかんソーダ」を発売した。今後も新しいドリンクメニューを開発し、魅力ある商品群に育てる。

■ニューデイズ(2019年3月期:売上高1242億円)
既存店売上高1.1%増、客数3.2%増、客単価4.4%増
全店売上高0.6%増、店舗数491店

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