イオンリテール/「イオンスタイル大宮西口駅前」オープン、ダイエーから承継
2025年06月04日 14:29 / 店舗レポート
イオンリテールは6月4日、さいたま市に「イオンスタイル大宮西口駅前」をオープンした。
商業施設「大宮西口DOMショッピングセンター」の地下1階に出店。「ダイエー大宮店」をイオンリテールが承継し、新たに「イオンスタイル」として展開する。
「大宮駅」西口に隣接したアクセスに恵まれた場所に立地。駅周辺で働く20~40代の単身の顧客のほか、駅前の再開発により若年ファミリー層の増加も見込めるという。
平日はオフィス街の昼食需要や、駅利用者の生活需要に対応。週末は「大宮西口DOMショッピングセンター」や周辺の商業施設を利用する生活者のニーズに応える商品をそろえる。
売場面積は2221m2で、「ダイエー大宮店」と同じ。ダイエーと異なる点としては、衣料品などビューティー関連の商品は置かず、その分食品売場を大幅に増強した。
合計1万4500品目のうち、食品が1万2300品目、非食品の日用雑貨が2200品目と、全体の85%を食品が占める。中でも冷凍食品売場を拡大し、1100品目をそろえる。また、菓子売場も広く設け、品目数を拡充した。
岩崎一郎店長は「ダイエー時代は冷凍食品売場が非常に狭かったが、今回レジ前に冷凍食品売場を大きく展開した。お菓子売場も最大限拡大し、加工食品売場の3割強をお菓子売場にした」と説明。
「ダイエー大宮店」から承継した点については「パート従業員の方が我々の店にきてもらっているため、どういったお客様がいたかや、どういったものが売れていたかといったことは承継した」という。
従業員の横断的な働き方も推進している。
従来のように「鮮魚売場」や「総菜売場」など縦割りの組織ではなく横割りの組織にすることで「その時間におにぎりを握る仕事があれば、お肉売場の従業員であってもおにぎりを握る。そういう形で全員がいろいろな仕事をできるようにして効率化を図っている。新しい店なのでゼロベースでオペレーションを組んでいる」(岩崎店長)。
全体に占めるイオンのプライベートブランド(PB)「トップバリュ」の比率は25%程度。岩崎店長は「自信をもってお勧めできる商品に関しては品ぞろえを強化してPB比率を高めていきたい」と述べた。
また、価格帯については「ベースはイオンリテールで販売しているベーシックな商品を売っていく。ただ、周辺環境などを考えると他のイオン店舗に比べて高価格帯の構成比は高めていきたい」とした。
「イオンスタイル大宮西口駅前」の特徴は、時間帯別に変わる顧客ニーズに応える「タイパ(タイムパフォーマンス)」に優れた商品展開と、短時間で充実した買い物ができる「買いパ(買い物パフォーマンス)」の良い売場だ。
「タイパ」では、朝は通勤・通学の軽食、昼は手軽で時短なデリランチ、夕刻は小容量の総菜をラインアップしていく。
具体的には、総菜売場では朝に焼きたてパンやおにぎり、だし巻き玉子、唐揚げといった軽食をそろえ、昼食時はサラダや、季節ごとに変わる弁当などを販売する。
カップ食品の売場では、手早く済ませたいランチ需要に応えるために、カップスープやカップライスを豊富にそろえる。
夕刻には総菜売場で「唐揚げ 唐王」やとんかつなどを小容量で用意。鮮魚売場では一人前のお造りや寿司を提供し、「魚魚炎」の魚総菜など即食商品も充実させる。
精肉売場ではトレーのまま電子レンジで加熱するだけで簡単にできる「ローストポーク」などレンジアップ商品を販売する。
今回強化した冷凍食品売場では、ワンプレートタイプの商品を用意。酒類売場が隣接していることから、おつまみも並べた。
さらに「冷凍スイーツが伸びている」(岩崎店長)とうい点を踏まえ、冷凍食品売場ではアイスの販売も強化し売場入口に拡大展開している。
一方の「買いパ」では、顧客の会計スタイルに合わせて選べるよう複数種類のレジを設ける。
商品をスキャンしながら買い回り、レジでは精算だけで済ませられる「レジゴー」や、現金対応とキャッシュレスのみ対応の2種類の「セルフレジ」、高齢者や目の不自由な顧客などに対してレジ担当者がサポートする「サポートレジ」を用意する。
さらにネットから商品を注文して好きな店舗で受け取れる「ピックアップ」サービスを展開するほか、購入した商品を自宅へ届ける「即日便」にも対応する。
■イオンスタイル大宮西口駅前
所在地:埼玉県さいたま市大宮区桜木町2-3-84
開業日:2025年6月4日
敷地面積:9,758.66m2
売場面積:2,221m2
駐車台数:400台
駐輪台数:自転車250台、バイク25台
SC構造:地下3階付地上7階建て(屋上あり)
営業時間:9時~22時
取材・執筆 比木暁
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