大手百貨店/10月売上高4社そろって秋冬衣料・インバウンド好調

2025年11月06日 15:31 / 月次

百貨店4社が発表した10月の売り上げ速報によると、三越伊勢丹ホールディングス前年同月比5.9%増、J.フロントリテイリング(百貨店事業合計)8.2%増、エイチ・ツー・オーリテイリング(阪急阪神百貨店全店計)5.0%増、高島屋各店計(国内百貨店子会社含む)8.3%増だった。

社名 売上高前年同月比
三越伊勢丹 5.9%増
J.フロントリテイリング 8.2%増
H2Oリテイリング 5.0%増
高島屋 8.3%増

10月は、月後半の気温低下により、秋冬物衣料品の動きが活発になった。

三越伊勢丹HD(2025年3月期売上高:5555億円)

伊勢丹新宿本店店頭前年同月比4.8%増、三越日本橋本店店頭13.1%増、三越銀座店5.7%増、三越伊勢丹計5.9%増だった。

函館丸井今井1.1%増、仙台三越3.1%減、新潟三越伊勢丹4.6%増、静岡伊勢丹1.6%増、広島三越11.4%減、高松三越2.9%減、松山三越2.8%減、岩田屋三越5.0%増など、国内グループ百貨店計は1.3%増、国内百貨店計は4.3%増となっている。

エムアイカードと三越伊勢丹アプリの両方を連携させた会員であるMI Wメンバーを中心に、識別顧客が売り上げをけん引した。

国内顧客売り上げは、三越伊勢丹・カスタマープログラムの全ステージで前年を超え、特に年間300万円以上のステージが大きく伸びた。10月後半の気温の低下もあり、防寒アイテムが好調に推移した。

海外顧客売り上げは、客単価の改善により前年実績を上回った。CRM施策(海外顧客向けアプリ「MITSUKOSHI ISETAN JAPAN」によるインセンティブ など)も利用拡大につながった。

アイテムでは時計、化粧品などの関心が高い。

J.フロントリテイリング(2025年2月期売上高:4418億円)

大丸松坂屋百貨店合計の売上高は前年同月比9.3%増、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は8.2%増だった。

10月の売上高は、訪日外国人売り上げが前年実績を大幅に上回ったことに加え、外商売り上げが好調を持続。また、気温が急に低下したことにより秋冬物衣料品が動いたことなどから、全体売り上げを押し上げた。

大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は、10月前半の国慶節期間中にとどまらず、月を通じて大きく売り上げを伸ばしたことなどから、18.9%増(客数19.1%増、客単価0.2%減)となった。

店舗別では、15店舗中11店舗が前年を上回った。改装効果が持続している松坂屋名古屋店(12.6%増)や、免税売り上げが好調な大丸心斎橋店(10.4%増)が対前年2桁増となったほか、大丸梅田店(7.3%増)、大丸東京店(6.2%増)、大丸神戸店(9.3%増)などがプラスとなった。

エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)(2025年3月期売上高:6817億円)

百貨店事業の全店計の売上高は、5.0%増となった。内訳は阪急本店4.9%増、阪神梅田本店12.9%増、支店計2.7%増。

阪急本店の大型改装に伴う売場閉鎖のマイナス影響が依然継続する中、国内売上高は前年を上回り好調に推移した。免税売上高も前年に対し約1割増伸びた。

阪神梅田本店は、5月の改装で導入したファッションブランドや大型専門店が引き続き好調だったことに加え、11月のリニューアル完成に向けて改装が進む食品売場も寄与し、店舗全体として前年売上高に対し約1割増となっている。

阪急本店は、国内売上高が好調な上、海外VIP顧客がけん引した免税売上高が約1割増となった。結果として国内売上高、免税売上高、店舗売上高ともに10月として過去最高を更新した。

秋冬ファッションは堅調に推移。宝飾品以外も含め100万円以上の高額品の売上高が、前年に対し約2割増と大きく伸びた。

人気催事「英国フェア」も、改装中で展開面積は大幅縮小したにもかかわらず、過去最高に迫る売上高となった。

高島屋(2025年2月期営業収益:5750億円)

高島屋各店計は8.6%増、岡山高島屋、高崎高島屋を含めた国内百貨店計は8.3%増だった。

免税売上高は15.4%増となっている。

免税を除いた店頭売上高は7.2%増となっている。

国内顧客は、気温の低下にともない秋物衣料、雑貨に動きがみられたことに加え、物産展などの催事も堅調に推移し、前年実績を上回った。

インバウンド顧客は、「国慶節」期間等の客数増加に加え、ラグジュアリーブランドをはじめとする高額品の売上高が増大したことで客単価を押し上げ、前年実績を上回った。

店舗別売上高では、大阪店、京都店、日本橋店、横浜店、新宿店、玉川店、大宮店、EC店、岡山店、高崎店で前年実績を上回った。

商品別売上高(同社分類)は、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、呉服、子供情報ホビー、スポーツ、リビング、美術、食料品、食堂が前年実績を上回っている。

大手百貨店/9月4社そろって前年プラス、外商・インバウンド好調

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