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三越伊勢丹HD/3月期は総額売上高1兆円を回復、国内・インバウンド好調

2023年05月09日 16:37 / 決算

三越伊勢丹ホールディングスが5月9日に発表した2023年3月期決算によると、売上高4874億700万円(前年同期比16.5%増)、営業利益296億600万円(398.4%増)、経常利益300億1700万円(215.3%増)、親会社に帰属する当期利益323億7700万円(162.4%増)となった。

売り上げ面では、総額売上高は1兆884億円(19.3%増)と1兆円台を回復。国内消費、免税売り上げの回復で大幅増収となった。

利益面は、営業利益はコロナ前の2018年を超える296億円を計上した。増収と経費構造改革の両面により、大きく伸長した。当期純利益は、2011年以来11年ぶり、2度目の300億円超えを達成している。

<識別顧客戦略が奏功と細谷社長>
識別顧客戦略が奏功と細谷社長

同日行われた決算説明会で、細谷敏幸社長は「マスから個を強化してきた識別顧客戦略が功を奏し、インバウンド顧客が回復途中でも、日本人顧客の売り上げが大きく伸びている。伊勢丹新宿本店は過去最高の総額売上高3276億円、三越日本橋本店はコロナ前売上高1384億円に回復している。両本店では年間100万円以上購買顧客の売上高シェアが約50%まで拡大している」と好調の要因を述べた。

百貨店事業の売上高は4160億2000万円(11.3%増)、営業利益は204億3200万円(前期は営業損失63億3900万円)。外商セールス取扱収入高が約2042億円(16%増)となるなど、購買力の高い既存顧客の深堀り、新規顧客獲得で識別顧客とのつながりを強化、売り上げを伸ばしている。

クレジット・金融・友の会業の売上高は308億2300万円(1.1%増)、営業利益は37億9100万円(37.5%減)。エムアイカードが、回復傾向の強い旅行や飲食領域等でのクレジットカード利用が伸長したことにより、百貨店外での取扱高はコロナ前水準を上回り、過去最高となった。一方で、グループ内取引の減収により、減益を計上している。

不動産業の売上高は205億1800万円(13.5%増)、営業利益は40億1400万円(28.1%減)。三越伊勢丹プロパティ・デザインが、コロナ禍で工事延期となっていた外部クライアント案件の完工増加や新規受注を拡大。グループのリソースを最大限活用し収益を拡大させる連邦戦略により、グループ百貨店リモデル案件の受注が大幅に拡大し、増収増益となった。

次期は、売上高5100億円(4.6%増)、営業利益350億円(18.2%増)、経常利益370億円(23.3%増)、親会社に帰属する当期利益280億円(13.5%減)を見込む。

細谷社長は「好調な国内消費、インバウンド売り上げの回復などから、2023年度の営業利益は統合後最高の350億円を計画、中計での24年度目標数値を前倒ししている。2024年度目標は、営業利益を当初計画50億円増の400億円、当期純利益も当初計画50億円増の330億円に上方修正している」としている。

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