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H2O/4~12月営業利益221億円、百貨店の利益改善などで過去最高更新

2024年02月02日 16:49 / 決算

エイチ・ツー・オー リテイリングが2月2日に発表した2024年3月期第3四半期決算によると、売上高4954億6400万円(前年同期比4.3%増)、営業利益221億8400万円(134.0%増)、経常利益239億1900万円(105.4%増)、親会社に帰属する当期利益177億7200万円(62.2%増)となった。

売上面は、百貨店事業では円安や株高などの外部環境の好影響が継続したこともあり、国内消費は堅調に推移し、インバウンド売上が大きく伸長した。食品事業では点単価の上昇と客数の回復により既存店売上高が前年を上回り、連結全体で増収となっている。

利益面では、百貨店事業の売上伸長に伴う利益改善に、各セグメントでの増益も加わり、過去最高益を計上した。

百貨店事業の総額売上高は4246億6300万円(16.3%増)、営業利益は167億5500万円(113.3%増)。好調な高額商材売上とコロナ禍からの回復に伴う入店客数の増加により、国内売上高は引き続き堅調だった。インバウンド売上高は円安の影響もあり過去最高となっている。

阪急本店では、全てのカテゴリーが前年を上回って推移。化粧品を含めファッション全般が好調で、ジュエリーや時計、ラグジュアリーブランドファッションなどが好調なインバウンド売上の押上げもあり、引き続き伸長している。販売費・一般管理費については、人件費やカード手数料などの売上に連動する費用が増加したものの、計画に対しては抑制した。

食品事業は、総額売上高が3236億3300万円(2.6%増)、営業利益は72億1800万円(58.5%増)。売上・粗利益率改善に向け、曜日販促による集客施策に加え、総菜・PB商品や重点販売商品の取組を強化した。

イズミヤ・阪急オアシスの既存店売上高は4.0%増(客数1.9%増、客単価2.0%増)、関西スーパーマーケットは4.4増%(客数0.4%増、客単価4.0%増)。値上げの影響による客単価上昇と客数の回復で、既存店売上高は前年越え。販売費・一般管理費は生産性向上のため什器などの改善を実施し、要員体制の最適化などにより経費コントロールに努め、計画を下回っている。

食品製造子会社は、阪急デリカアイや阪急ベーカリーにおいて、グループ外への卸販売と専門店売上が伸長し増益。宅配事業は阪急キッチンエール関西の新センター稼働と会員システムの変更影響により減収減益だった。

商業施設事業は、総額売上高243億8400万円(12.3%減)、営業利益29億2800万円(74.2%増)。ホテルを運営する大井開発では、ビジネス・観光ともに宿泊需要が回復し、機動的な価格施策と効率的な運営で客室稼働率が90%を超えた。

イズミヤのショッピングセンター運営と衣料品・住居関連品販売及びテナント管理を行うエイチ・ツー・オー 商業開発は、収益力強化、費用の適正化、地域との連携強化による差別化に着手。イズミヤショッピングセンターの店舗閉鎖や直営売場の縮小により減収だったが、経費抑制・テナントの売上拡大に向けた取組や新規イベント区画の設置が計画以上に進み、効率的な運営を進めている。

通期は、販売費・一般管理費が計画を下回ったことに加え、経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益が前回予想を上回る見込みとなり、上方修正した。

売上高は前回予想比30億円増の6830億円(8.7%増)、営業利益25億円増の245億円(115.1%増)、経常利益35億円増の260億円(99.9%増)、親会社に帰属する当期利益50億円増の180億円(9.9%増)を見込んでいる。

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